日本年金機構と厚生労働省は11月を「ねんきん月間」と定め、公的年金制度の啓発活動に取り組みます。
老後に向けて理解しておきたい大切な制度ですが、やや複雑なイメージをお持ちの方は少なくないでしょう。
なお、セットで知っておきたいのが「年金生活者支援給付金」です。老後の年金に加えて年金生活者支援給付金を受けとれる人もいます。
老齢年金生活者支援給付金は、年金受給者の生活をサポートする目的で創設されました。
厚生労働省が公表した「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によると、老後、所得のすべてが「公的年金・恩給」である世帯は43.4%にとどまります。つまり高齢者世帯の56.6%が、公的年金以外の所得が必要な状況にあることがわかります。
こうした厳しい状況下、年金生活者支援給付金は暮らしを支える一助となり得るのではないでしょうか。
この記事では、老後に「年金生活者支援給付金」を受けとれるのはどのような人なのか。そして、給付額は月額いくらで、どのような手続きが必要なのか、解説していきます。
1. 「年金生活者支援給付金」はどんな制度?
「年金生活者支援給付金」とは、公的年金を含めてもなお所得の低い世帯を対象とする給付金です。2カ月に一度の年金支給日に、公的年金に上乗せして支給されます。
近年しばしば実施されている「住民税非課税世帯への給付金」などの一時的な支援とは異なり、要件を満たす限り継続して受け取ることができる恒久的な支援制度です。
年金生活者支援給付金は、以下の3つの種類があります。
1.1 年金生活者支援給付金は3種類
- 老齢年金生活者支援給付金(補足的老齢年金生活者支援給付金)
- 障害年金生活者支援給付金
- 遺族年金生活者支援給付金
次章より、老齢年金生活者支援給付金に絞って、支給要件や給付額、手続き方法を解説していきます。

