10月17日は「貯蓄の日」です。物価高が続き家計への圧迫も大きい中ですが、老後に向けた貯蓄もできるだけ用意したいところ。とはいえ、日々の生活でいっぱいになると、老後資金への意識は薄まりがちです。
老後になってから物価高になる可能性を考えると不安が募りますが、実際に現代シニアはどれくらいの家計収支であり、また貯蓄を保有しているのでしょうか。今回は70歳代に視点を当てて、現代シニアの平均の実態をみていきます。
また、できれば「老後はゆとりをもって好きなことをして生活したい」と願う人もいると思いますが、ゆとりある老後に必要な生活費も見ていきましょう。
1. 70歳代の貯蓄額「平均・中央値」は?どれくらい貯めているの?
まずは70歳代・二人以上世帯の貯蓄について見ていきましょう。今回は、金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」をベースに確認していきます。
ちなみに、貯蓄額には日常的な出し入れおよび引き落としに備えている普通預金残高は含まれない点には留意しておいてください。
データを確認すると70歳代・二人以上世帯の貯蓄額の平均値は1923万円、中央値は800万円でした。貯蓄額の分布は以下のとおりです。
- 金融資産非保有:20.8%
- 100万円未満:5.4%
- 100~200万円未満:4.9%
- 200~300万円未満:3.4%
- 300~400万円未満:3.7%
- 400~500万円未満:2.3%
- 500~700万円未満:4.9%
- 700~1000万円未満:6.4%
- 1000~1500万円未満:10.2%
- 1500~2000万円未満:6.6%
- 2000~3000万円未満:8.9%
- 3000万円以上:19%
- 無回答:3.5%
平均値と中央値を確認すると70歳代になればそれなりの貯蓄額があるように見えますが、実態としては最も大きな割合を占めているのが金融資産非保有世帯でした。貯蓄額の割合をみて実態を知ることは大切です。
「老後を迎えるころには貯蓄も貯まっているだろう」とは思わず、コツコツと貯める習慣をつけておきましょう。