3. 高額所得者層の「購買スタイル」も変化

経営コンサルティングファームのBCG(ボストンコンサルティンググループ)が、「年収3000万円以上、かつ年間で1000万円以上を消費している」日本の消費者約300人を対象に、購買行動に着目した調査・分析を行いました。

「物価高により消費行動を控えめにした」と回答した一般消費者は80%にのぼる一方で、高額消費者ではわずか20%にとどまります。

物価の上昇によって家計が苦しい世帯も多いなか、高額所得者層の購買スタイルには大きな変化がないようです。

また、高額所得者層はモノより「体験」を重視する傾向にあり、エンタメ・旅行・趣味といった「体験型」の支出が最も多く、一般層の約9倍に達しているとのことです。

4. 資産形成を考えるときは「富裕層の行動」や「背景にある経済構造」を参考に

日本における富裕層は「純金融資産1億円以上」の世帯として定義され、ここ10年以上にわたって増加が続いています。

その背景には、株価の上昇や円安、相続の増加、投資制度の整備、不動産価格の上昇といった複数の要因が複雑に絡んでいることが考えられます。

特に富裕層は、株式や外貨建て資産などリスク資産への投資比率が高い傾向にあり、経済動向の恩恵を受けやすいことも特徴です。

格差拡大が課題となる一方で、資産形成を考える上では、富裕層の行動や背景にある経済構造を理解することが重要なのかもしれません。

参考資料

加藤 聖人