2.3 (3)相続・贈与による「資産の世代交代」
日本では団塊の世代が75歳を超え、「資産の世代交代」が加速しています。
そのため、親世代からの相続や生前贈与を通じて、子世代が一気に富裕層入りするケースが増えています。
特に、相続税対策として非課税の贈与制度(教育資金・住宅資金など)を活用する動きが見られ、現金・有価証券・不動産といった多様な資産が計画的に継承されています。
投資経験が浅くても、一定以上の資産を一括で取得することで、名目上「純金融資産1億円以上」の富裕層に分類される人が増えているのが現状です。
2.4 (4)金融政策と制度改革による投資環境の整備
長期にわたる日銀の超低金利政策と金融緩和は、預金による資産形成を難しくする一方で、投資への流れを後押ししました。
また、NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)といった税制優遇制度の普及により、投資による資産形成がしやすい環境が整いつつあります。
特に2024年からスタートした新NISAでは、年間最大360万円・総枠1800万円の非課税枠が設定され、富裕層もこの制度を活用して資産拡大を図る動きが見られます。
2.5 (5)不動産価格の上昇による資産評価の増加
不動産市場の回復も、富裕層の資産増加に寄与しています。
東京都心をはじめとした都市部では、地価やマンション価格の上昇が続いており、特に高額物件を保有していた世帯では、資産の評価額が大きく伸びました。
実物資産と金融資産の連携により、富裕層の資産は多角的に拡大しています。