5. 老後資金に向けた備えはいつから?どうする?
冒頭でお伝えしたとおり、歳を重ねるにつれて不安が増すのが、健康や介護に関する問題です。将来の安心を得るためには、現役時代からの準備を進めておくと安心です。
お金に関しては、以下のような対策を検討してみましょう。
5.1 生活コストの見直し
固定費(通信費、保険料、サブスクなど)の見直しや、無駄な支出の削減を通じて、支出をスリム化しておくことも効果的です。
5.2 iDeCoやNISAの活用
月数千円でも、非課税制度を活用した運用、とくに積立投資を継続して行ってみましょう。とりわけ、NISAやiDeCoは将来の資産形成を支援する制度で、積立投資に向いています。長期投資による複利効果も得やすいのが特徴です。
5.3 年金の繰下げ受給
年金は最長75歳まで繰下げ可能。繰下げれば、1カ月あたり0.7%、最大84%まで年金額が増加します。長寿リスクへの有効な対策になります。繰下げ受給には賛否がありますが、受給開始が近づいてきたら本格的に検討してみましょう。
また、年金の繰下げ受給を考えるなら、長く働くこともセットで検討してみましょう。引き続き、年金保険料を納めれば年金額アップにもつながります。
6. まとめにかえて
今回は、70歳代の貯蓄額、年金額、そして老後に向けた備えのポイントについて解説しました。
少子高齢化や長寿化、物価高といった、社会や経済構造の変化もあり、老後の生活は不確実性が増しています。年金収入だけでは毎月の生活費をまかないきれず、赤字を貯蓄で補っている家庭も少なくありません。
老後に入ってからお金を貯めようとしても、手段は限られる場合がほとんどです。年齢を重ねても自分らしい生活を維持するために、早めの備えと定期的な見直しを心がけましょう。