2. 70歳代から生じやすい「生活リスク」とは?

それでは、70歳代以降の生活にはどのようなリスクがあるのか、具体的に見ていきましょう。

  • 医療・介護費の増加
  • 配偶者の死去による収入減(遺族年金などへの移行)
  • 物価上昇による実質支出の増大
  • 認知症や病気等による判断力の低下
  • 衛生環境の悪化 など

これらのリスクに対処するには、家族の協力が必要になったり、さまざまなサービスの利用によって解決できたりする場合もあります。

ただし、サービスを利用するには利用料が必要です。年金から利用料を捻出できる場合もあるかもしれませんが、できれば年金以外の貯蓄があれば安心です。

3. 70歳代の貯蓄額:平均と中央値を確認

「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」によると、70歳代の金融資産保有額は以下の通りです。

【2人以上世帯】※金融資産非保有世帯を含む

  • 平均:1923万円
  • 中央値:800万円

【単身世帯】※金融資産非保有世帯を含む

  • 平均:1634万円
  • 中央値:475万円

それぞれの平均値と中央値は1000万円以上の差がありますが、これは平均値の計算上、多額の資産を保有する世帯が平均値を引き上げてしまうためです。

中央値はサンプル全体の真ん中に位置する数字なので、中央値の方が実感により近いかもしれません。