5. 【2025年度】「公的年金」と「年金生活者支援給付金」はそれぞれ増額改定に
公的年金や年金生活者支援給付金の支給額は、毎年度見直しが行われます。
ここでは令和7年(2025年)度の年金額の例と支給水準について確認しておきましょう。
5.1 公的年金はいくらになった?年金額は「1.9%引き上げ」
公的年金は、物価や現役世代の賃金水準の変動を反映して改定され、2025年度は前年度比で1.9%の引き上げとなりました。
この増額が反映されるのは、6月に支給される「4月・5月分」の年金からです。
- 国民年金(老齢基礎年金(満額)):6万9308円
- 厚生年金:23万2784円(夫婦2人分)
※昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額6万9108円(対前年度比+1300円)
※厚生年金は「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
3年続けての引き上げとなりましたが、マクロ経済スライド(※)の影響により改定率は物価上昇率を下回っています。
つまり、名目上は増額であっても、実質的には年金の受取額が目減りしている点に注意が必要です。
※マクロ経済スライドとは:「公的年金被保険者(年金保険料を払う現役世代の数)の変動」と「平均余命の伸び」に基づいて設定される「スライド調整率」を用いて、その分を賃金と物価の変動がプラスとなる場合に改定率から控除するしくみ
5.2 年金生活者支援給付金はいくらになった?支給金額は「2.7%引き上げ」
「年金生活者支援給付金」とは、低所得の年金受給者のうち一定の条件を満たす方に支給される制度です。
支給は2か月に一度の年金支給日に行われ、公的年金に加えて上乗せされます。
- 老齢年金生活者支援給付金:基準額:月額5450円
- 障害年金生活者支援給付金:障害等級1級6813円・2級5450円
- 遺族年金生活者支援給付金:月額5450円
老齢年金生活者支援給付金については、定められた基準額をもとに、保険料の納付済期間や免除期間に応じて給付額が算定されるため、受け取れる金額には個人差があります。
6. 将来の生活に「足りない金額があるのか」確認しておきましょう
ここまで、老後資金の柱となる公的年金の仕組みや受給額について見てきました。
最近では、若い方でも「老後はどうなるのかな」と漠然とした不安を感じている人も多いです。
こうした漠然とした不安を和らげるためには、まず「自分は将来いくら年金を受け取れるのか」を具体的に知ることが重要です。
この金額と将来の生活費を照らし合わせ、足りない部分を将来の不足額として今から準備することができます。
早いうちから将来の生活に足りない金額があるのか確認し、その資金作りが出来れば安心ですね。