バブル崩壊後に就職活動をおこなった40歳代~50歳代は就職氷河期世代と呼ばれ、就職するのが大変だったり、正社員として採用されなかった人が多い傾向にあります。

そんな就職氷河期世代にも老後が近づいていますが、ゆとりのある生活を送れるほどの貯蓄があるのでしょうか。

本記事では、40歳代~50歳代の貯蓄実態を紹介します。

単身世帯と夫婦世帯にわけて貯蓄額の「平均と中央値」を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

1. 【単身世帯】40・50歳代の貯蓄額の平均と中央値はいくら?

単身世帯は、基本的に一人で老後を生き抜く必要があります。

では、老後を控える40歳代~50歳代は、どのくらい貯蓄ができているのでしょうか。

金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査」によると、40歳代単身世帯の貯蓄額は以下のとおりです。

なお、貯蓄には預貯金のほかにも株式や投資信託、積立型保険、個人年金保険などを含みます。

1.1 40歳代単身世帯の金融資産保有額

  • 非保有 :33.3%
  • 100万円未満 :15.4%
  • 100~200万円未満 :7.7%
  • 200~300万円未満 :5.2%
  • 300~400万円未満 :4.0%
  • 400~500万円未満 :1.2%
  • 500~700万円未満 :4.9%
  • 700~1000万円未満 :4.6%
  • 1000~1500万円未満 :5.9%
  • 1500~2000万円未満 :2.8%
  • 2000~3000万円未満 :3.7%
  • 3000万円以上 :8.6%
  • 無回答 :2.5%
  • 平均値 :883万円
  • 中央値 :85万円

平均値は一部のお金持ちの貯蓄額に大きく影響されるため、より実態をみるには中央値に注目しましょう。

40歳代単身世帯における、貯蓄額の平均値は883万円、中央値は85万円です。

半分以上の40歳代単身世帯が、100万円も貯蓄がないことがわかります。

貯蓄額が100万円では、老後に不安を感じる人も多いのではないでしょうか。

さらに、3世帯に1世帯は貯蓄がまったくありません。では、50歳代になると貯蓄は増えるのでしょうか。

金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査」によると、50歳代単身世帯の貯蓄額は次のとおりです。

1.2 50歳代単身世帯の金融資産保有額

50歳代単身世帯の貯蓄額と「割合」

50歳代単身世帯の貯蓄額と「割合」

出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査」

  • 非保有 :40.2%
  • 100万円未満 :13.1%
  • 100~200万円未満 :4.1%
  • 200~300万円未満 :2.7%
  • 300~400万円未満 :3.8%
  • 400~500万円未満 :1.9%
  • 500~700万円未満 :3.3%
  • 700~1000万円未満 :3.8%
  • 1000~1500万円未満 :5.5%
  • 1500~2000万円未満 :3.3%
  • 2000~3000万円未満 :3.8%
  • 3000万円以上 :11.2%
  • 無回答 :3.3%
  • 平均値 :1087万円
  • 中央値 :30万円

50歳代単身世帯の貯蓄額の中央値は30万円となり、40歳代よりもさらに金額が減っています。

また、貯蓄がゼロの世帯の割合も40.2%とさらに増えています。

一方で、3000万円以上の貯蓄を持つ世帯の割合は、50歳代世帯の方が多いです。

そのため、50歳代単身世帯では、より世帯による貯蓄額の差が大きくなっていることがわかります。