3. 老後は年金をいくらもらえる?
40歳代・50歳代世帯の多くは、十分な貯蓄がない世帯が多い傾向にあることを確認しましたが、老後は年金を受け取れます。
そのため、年金だけで生活費をまかなうことができれば、貯蓄が少なくても老後生活を過ごせるかもしれません。
では、現在のシニア世帯はいくら年金をもらっているのでしょうか。
厚生労働省年金局「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、現役時代に会社員や公務員としての勤務経験がある厚生年金受給者の年金受給額の分布は以下のとおりです。
*厚生年金保険受給権者には、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢の引上げにより、定額部分のない報酬比例部分のみの65歳未満の受給権者が含まれている
3.1 厚生年金受給者の年金受給額(額面)
- 平均年金月額 14万6429円
厚生年金は、現役時代の平均年収と勤務期間などによって受給額が決まるため、人による受給額の差は大きいですが平均年金月額は14万6429円※です。
共働き夫婦でともに平均年金月額を受け取れる世帯の年金収入は、合計で月29万2858円となります。
ただし、自営業者や専業主婦は厚生年金を受け取れないため、受給年金はより少額となります。
そのため、自営業夫婦や片働き夫婦が世帯でもらう年金はさらに少ないです。
もちろん生活水準にもよりますが、年金だけで暮らすのはハードルが高いと感じる人もいるのではないでしょうか。
※国民年金を含みます。
4. 老後の備えについて考えよう
本記事で確認したとおり、老後に年金だけでゆとりのある生活を送るのは一般的に難しいです。
そのため、年金制度に頼るだけでなく、自分で貯蓄や資産形成をすすめて資産を用意しておくことも大切です。
家計を見直したり、新NISAやiDeCoといった税制優遇制度を活用した資産形成を行ったりする選択肢もあるでしょう。
ライフスタイルや家計にあった選択をして、少しでもゆとりのある老後生活を目指してみてはいかがでしょうか。
参考資料
苛原 寛
