涼しい風が吹き始め、秋の気配が感じられる季節となりました。

さて、公的年金は2カ月に一度の支給ですが、次の年金支給日を前に、ご自身の老後資金について改めて考える方も多いのではないでしょうか。

2025年度の公的年金は前年度より1.9%の引き上げとなり、10月15日には「標準夫婦」なら約46.5万円が支給される予定です。

では、そもそも「標準夫婦」とはどのような世帯なのでしょうか。

この記事では2025年度の最新年金額に加え、「標準夫婦」がどんな世帯なのか、その基準をわかりやすく解説します。

これからの老後の家計設計にぜひお役立てください。

1. 【年金の基本】公的年金(厚生年金・国民年金)の仕組みを整理

まずは、日本の公的年金(厚生年金・国民年金)の仕組みをおさらいしましょう。

【写真】厚生年金と国民年金の仕組み

厚生年金と国民年金の仕組み

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

日本の公的年金制度は「2階建て構造」と呼ばれています。

これは、基礎部分となる「国民年金」と、その上に上乗せされる「厚生年金」の二本立てで成り立っているためです。

国民年金は、原則として国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入対象であり、年金保険料(※1)は一律です。

これに対して厚生年金は、会社員や公務員などが国民年金に加えて加入し、収入に応じた保険料(※2)を負担します。

国民年金は、保険料を40年間(480月)納めれば、65歳から満額(※3)の受給が可能で、納付に不足があれば、その分が差し引かれる仕組みになっています。

こうした中で「標準的な夫婦世帯」の場合、年金支給日に「約46万5000円」を受け取れるとされています。

次章でその根拠を詳しく解説していきます。

※1 国民年金保険料:2025年度は月額1万7510円
※2 保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される
※3 国民年金の満額:2025年度は月額6万9308円