朝晩の冷え込みが増し、冬の足音が近づく2025年11月です。 今年も残すところあとわずかとなり、年の瀬に向けて家計の見直しや来年の生活設計を考える方も多いのではないでしょうか。

老後の生活を支える公的年金制度は、国民年金(老齢基礎年金)が平均月額5万円台、厚生年金(国民年金部分を含む)が平均月額14万円台というデータが厚生労働省から示されています。

しかし、年金受給額には大きな個人差があり、年金だけで生活費を賄うことが難しい受給者も少なくありません。 そうした年金生活者の経済的な不安を和らげることを目的として、「年金生活者支援給付金」という国の制度が設けられています。

この給付金は、年金収入や所得が一定基準以下の人に対して、年金に上乗せして支給されるもので、生活をサポートする重要な役割を担っています。

本記事では、受給資格の確認から給付額、そして申請手続きの詳細に至るまで、「年金生活者支援給付金」の仕組みを包括的に解説していきます。

1. シニアが受け取っている「国民年金・厚生年金」の平均月額と個人差を見る

厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」では、公的年金の平均受給額は、国民年金(老齢基礎年金)が5万円台、厚生年金(国民年金部分を含む)が14万円台となっています。

一方で、厚生年金が月25万円以上の人から、国民年金・厚生年金ともに月2万円未満の人まで、受給額は大きくばらついています。

2. 年に約6万円が支給される「年金生活者支援給付金」って何?

「年金生活者支援給付金」は、年金収入やそのほかの所得が一定基準を下回る年金受給者を支えるため、2カ月ごとに年金に加算して支給される制度です。

受け取っている年金の種類に応じて、次の3つの給付金が用意されています。

  • 老齢年金生活者支援給付金(補足的老齢年金生活者支援給付金)
  • 障害年金生活者支援給付金
  • 遺族年金生活者支援給付金