3. 自宅を売っても住み続けられる?リースバックの注意点

老後資金を用意する手段の一つに「リースバック」があります。

リースバックとは、自宅を不動産会社に売却し、そのまま賃貸契約を結んで同じ家に住み続ける方法です。

売却によってまとまった資金を得つつ、引っ越さずに生活を継続できる点が特徴です。

高齢者施設への入居を待つまでの間、リースバックを使用して入居一時金を確保しつつ、空室が出るまで賃貸で住み続ける場面で活用できます。

しかし、リースバックを利用すると同じ家に住み続けられる一方で、自宅の所有権を失います。

また、不動産会社は将来的な転売を見越して不動産を買い取るため、市場価格の6~8割程度になるのが一般的です。

リースバックの家賃は、周辺の賃貸相場ではなく、売却価格を基準に設定されます。

年間で支払う家賃が売却価格の1割程度になることもあり、10年経過すると売却価格以上の家賃を支払うことになります。

場合によっては、契約の形態が定期借家契約となる点も問題です。定期借家契約とは、契約期間が終了すると自動的に更新できない契約です。つまり、同じ家に長期間住み続けられない可能性があります。

経済的な負担が重くなりやすいうえに、契約形態次第では新しく家を探さなければなりません。リースバックを利用するときは、これらのデメリットを踏まえたうえで、慎重に判断すべきでしょう。