3. 【療育手帳】「20歳代が最多」年代別にみる特徴

「療育手帳の所持者はどの年代が多いのか?」

こちらも「令和4年生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査)」でみていきましょう。

2022年の療育手帳所持者約114万人を年齢階級別に見ると、最も多いのは20歳から29歳の「20歳代の年代」。この年代が約22万9000人で全体の20.1%を占めています。また、18歳以上の所持者は全体の約7割に上り、これは就労や自立の時期においても、就労支援や福祉サービスを受けるために手帳を継続して所持している人が多いことを示唆しています。

一方で、18歳未満の子どもたちが全体の約25%を占めていることも特徴です。具体的には、10歳から17歳が約15万8000人(13.9%)、0歳から9歳が約12万4000人(10.9%)となっています。これらの子どもたちの所持者数は、2016年の前回調査と比較していずれも増加しており、知的障害を伴う子どもたちへの早期の気づきと、適切な支援へのつながりが広がっている現状を反映していると考えられます。

この傾向は、家庭や学校、地域社会における知的障害への理解が進み、支援体制が充実してきたことで、子どもたちが安心して成長できる環境が整いつつあることを示唆しています。