2024年12月2日に「マイナンバーカード」と健康保険証が統合されたことを受け、紙の保険証の新規発行が終了しました。

これにより、今後は有効期限切れの健康保険証が増えていくことが予想されます。

不安を抱える人も多いと思いますが、基本的にマイナ保険証がない方には「資格確認書」が送付されるため、こちらで引き続き受診が可能です。

また、国民健康保険や後期高齢者医療制度においては、有効期限が切れても「2026年3月末」まで使用できる可能性があります。

くわしく見ていきましょう。

1. マイナンバーカードと健康保険者証が統合→保険証の有効期限が迫る

2024年12月2日に「マイナンバーカード」と健康保険証が統合されたことを受け、紙の保険証の新規発行が終了しています。

加入する健康保険によって異なりますが、例えば2024年に発行された後期高齢保険証の有効期限は、最長でも「令和7(2025)年7月31日」となっています。

また、板橋区や杉並区などの国民健康保険は最長で2025年9月30日、大阪市などの国民健康保険は2025年10月31日など、自治体によって異なります。

デジタル庁によると、健康保険における最長の有効期限は、2025年12月1日とされています。

まだマイナ保険証を取得していな方は「有効期限が切れるとどうなるのか」と不安に感じるかもしれませんが、基本的には資格確認書にて受診が可能です。

2. 資格確認書で受診できる

厚生労働省によると、マイナ保険証を保有していない人に対して、資格確認書が交付されるとされています。資格確認書は無償で、原則として申請不要です。

交付対象者について見ていきましょう。

資格確認書のイメージ(※保険者によって様式・発行形態が異なります)2/5

資格確認書のイメージ

出所:厚生労働省「資格確認書について(マイナ保険証を使わない場合の受診方法)」

2.1 申請不要で交付される人

  • マイナンバーカードを取得していない方
  • マイナンバーカードを取得しているが、健康保険証利用登録を行っていない方
  • マイナ保険証の利用登録解除を申請した方・登録解除者
  • マイナンバーカードの電子証明書の有効期限切れの方
  • 後期高齢者医療制度にご加入の方や、新たに加入される方(2026年7月末までの暫定措置)

2.2 申請すれば交付される人

  • マイナンバーカードでの受診等が困難な配慮が必要な方(ご高齢の方、障害をお持ちの方など)であって、
  • 資格確認書の交付を申請した方<更新時の申請は不要>
  • マイナンバーカードを紛失・更新中の方

2.3 更新時の申請が不要な人

  • 申請により資格確認書が交付された配慮が必要な方(ご高齢の方、障害をお持ちの方など)

後期高齢者医療制度の加入者は、マイナ保険証の保有有無にかかわらず、全員に交付されます。

3. 【暫定措置】有効期限が切れた健康保険証が使える可能性

多数の自治体にて健康保険証の有効期限が順次失効されていくことに対し、不安の声があがっています。

厚生労働省では2025年6月27日、全国の国民健康保険や後期高齢者医療制度の管轄部署に対し、「被保険者番号等によりオンライン資格確認システムに資格情報を照会するなどした上で、患者に対して3割等の一定の負担割合を求めてレセプト請求を行うこととする運用は、保険医療機関等の現場における実態を勘案すれば、暫定的な対応として差し支えないも
のと考える。」と通知しました。

つまり、資格の確認が取れれば、暫定的な措置として有効期限が切れた保険証を使えるということです。

移行期における暫定的な対応のため、期限は2026年3月末までとなっています。

また、次回以降の受診においてはマイナ保険証もしくは資格確認書を持参するよう案内がされるため、「いつまでも古い保険証で受診できる」というわけではない点に注意が必要です。

4. 後期高齢者医療制度の医療費の自己負担割合はいくら?

後期高齢者の場合、マイナ保険証の保有有無にかかわらず、全員に資格確認書が交付されることがわかりました。

現役世代の方は、「後期高齢者医療制度」にあまりなじみがないかもしれません。

後期高齢者医療制度とは公的な健康保険のひとつで、75歳以上の方や65歳以上75歳未満の方で一定の障害があると後期高齢者医療広域連合から認定を受けた方が加入します。

老後を迎えた誰もが加入する保険ですが、その医療費の自己負担割合は現役世代と少し異なります。

現役世代の場合、原則として自己負担割合は3割です。

後期高齢者医療制度では、所得によって1割・2割・3割にわかれます。

4.1 自己負担割合の判定方法

後期高齢者医療制度における医療費の自己負担割合は、住民税課税所得などに基づいて毎年見直され、8月1日に決定されます。

例えば2025年8月1日からの自己負担割合は、2025年度の住民税課税所得をもとに判定するということです。

また、世帯構成の変更、所得等の更正などにより変更になる場合もあります。

これまで1割負担だった人でも、前年の所得に変動があった場合、自己負担割合が変更されることがあり、例えば、不動産や株式の売却益などで所得が増加した場合などが考えられます。

  • 3割負担:現役並み所得者(同じ世帯の被保険者の中に住民税課税所得が145万円以上の方がいる場合)
  • 2割負担:一定以上所得のある人
  • 1割負担:一般所得者等(同じ世帯の被保険者全員の住民税課税所得がいずれも28万円未満の場合など)

住民税非課税世帯の方は、上記に関わらず1割負担です。

※世帯の状況によって基準となる所得が変わるため、詳細についてはお住まいの自治体窓口等でご確認ください。

4.2 2割負担者は9月30日まで「配慮措置」が受けられる

2割負担は、2022年10月に導入された比較的新しい制度です。これまで1割負担だったという方が、2割負担の導入により医療費が2倍になることもありました。

こうした負担増を避けるために、9月30日までの期間限定で配慮措置が設けられています。

これにより、1ヶ月の医療費負担増加額を3000円までに抑えられます。

後期高齢者医療制度の自己負担割合がわかったところで、最後に保険料の目安も見ていきましょう。

5. 後期高齢者医療の保険料「2025年度の平均は8万6306円」

後期高齢者医療制度の保険料は

  • 均等割額:被保険者が均等に負担する保険料
  • 所得割額:被保険者の前年の所得に応じて負担する保険料

の合計で計算されます。

2025年度の全国平均は次のとおりです。

5.1 後期高齢者医療制度の保険料率と全国平均【2025年度】

  • 被保険者均等割額の年額:5万389円
  • 被保険者均等割額の月額:4199円
  • 所得割率:10.21%
  • 平均保険料額の年額:8万6306円
  • 平均保険料額の月額:7192円

しかし実際には都道府県ごとに異なるため、同じ所得であっても居住地によって保険料が変わることもありえます。

厚生労働省の資料では、年金収入195万円の人をモデルとして、都道府県ごとの保険料も公表しています。

こちらによると、最も保険料が高いのは福岡県の6641円、最も保険料が安いのは岩手県の4808円となりました。

6. まとめにかえて

国民健康保険や後期高齢者医療制度の保険証取り扱いについて見ていきました。

加入する健康保険による違いがあるため、まずはお手元の保険証の有効期限をしっかり確認しましょう。

配慮措置や暫定措置が設けられている可能性もありますが、マイナ保険証や資格確認書が必要になる流れです。不明点がある場合は、加入先の健康保険にて確認するようにしましょう。

参考資料

太田 彩子