4. 長期での積立・分散投資で安定した資産運用を目指す
NISAの公式Webサイトでは「長期・積立・分散投資」の有効性について紹介されています。
まず、長期で運用すると「複利効果」が大きくなります。複利効果とは、投資で得た収益を再投資することで、収益額がさらに大きくなる仕組みのことです。投資期間が長いほど、複利効果は大きくなります。
たとえば、毎月1万円ずつ積み立て、利回り3%で運用した場合、投資期間20年では元本240万円が約330万円に、40年の場合では元本480万円が約930万円になります。
総投資元本は2倍の差が生まれますが、長期運用による複利効果で、最終的な総資産には3倍近い開きが生じます。
また、積立投資を取り入れることで、無理なく投資を続けるのも有効な手段です。一度に多額の金融商品を購入すると、投資タイミングが投資成績に大きな影響を与えます。
うまく安値で購入出来ればよいですが、高値掴みすると損失リスクが高くなります。現時点の株価や基準価額(投資信託の価格)が割安かどうかを見極めるのがプロでも難しく、相対的に難易度の高い投資となるでしょう。
少額の投資を毎月続ければ、さまざまな価格で投資することになるため、最終的なリターンが安定しやすくなります。少額であれば、家計の余剰資金から拠出しやすいという側面もあります。資産運用を長く続けるうえでは、少額での積立投資が有効です。
最後に、分散投資をすることで、ある資産の損失をほかの資産がカバーしてくれるため、損失リスクをおさえることができます。
NISAでは投資信託や株、REITなどを通じて値動きが異なる多数の資産(国内/海外、株式/債券/不動産など)に投資が可能です。さまざまな資産に分散投資して、損失リスクを抑制しましょう。
参考資料
- 金融庁「NISAを知る」
- 金融庁「つみたてシミュレーター」
- PRTIMES「約8割が「老後不安」、生活費と医療費が二大懸念。老後資金準備状況は「二極化傾向」。若年層の「ねんきん定期便」理解不足も浮き彫りに」
- 一般社団法人投資信託協会「NISA成長投資枠の対象商品」
- 金融庁「NISA 資産形成の基本」
中本 智恵