1. 「新NISA」誕生から1年半が経過!おさらいしておきたい「NISA」制度
2024年1月、NISA制度が大きく改正され、「新NISA」として新たに運用がスタートしました。
これまで、投資による利益には約20%(正確には20.315%)の税金がかかっていましたが、新NISAを活用することで、この税負担が免除されます。税制面での優遇が大きく、将来の資産形成を考えるうえで、有力な選択肢のひとつといえるでしょう。
改正後の新NISAでは、制度の柔軟性と使いやすさが大きく向上しています。主な変更点は次のとおりです。
1.1 新NISA6つのポイント
- 非課税保有期間は無期限
- 「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の併用OK
- 年間投資枠は、つみたて投資枠「年間120万円」・成長投資枠「年間240万円」
- 非課税保有限度額は1800万円(内、成長投資枠1200万円)※枠の再利用可能
- つみたて投資枠の投資対象商品は「長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託」
- 成長投資枠の対象商品は「上場株式・投資信託等」
年間の投資上限額は、つみたて投資枠が年間120万円、成長投資枠が年間240万円と設定されました。
このように、新NISAは制度面でも投資対象の面でも、これから投資を始める人にもすでに運用をしている人にも使いやすい仕組みとなっています。
1.2 投資できる商品のポイント
つみたて投資枠は、文字通り積立投資を設定することで利用できるNISA制度です。投資できる商品は「長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託」で、これに該当する銘柄はNISA公式Webサイト「つみたて投資枠対象商品」にて公表されています。
2025年7月1日時点で、ETFを含む336本が対象です。投資信託は、売買できる銘柄が金融機関によって異なります。そのため、実際にはこの336本のうち、自分が口座開設している金融機関が取扱う商品のみが売買可能です。
成長投資枠は、積立投資・スポット投資双方に柔軟に活用できる制度です。こちらは上場株やREITへの投資ができます。また、アメリカや中国などの外国株の売買にも利用できます。
投資信託は、つみたて投資枠より対象銘柄が多いのが特徴です。投資信託協会「NISA成長投資枠の対象商品」を参照すると、2025年7月7日時点で2122銘柄が対象となっています。
とくに、つみたて投資枠は初心者にとって始めやすいとされています。ただし、毎月一定額を継続して積み立てる必要があるため、多くの人にとって気になるのは「どのくらいの資産が形成できるか」という点でしょう。
次章では、いくつかの前提条件をもとに、期待される資産の成長をシミュレーションしていきます。