今年の夏は気温も上昇、物価も上昇で、なかなか厳しい夏になりました。来月8月15日は年金支給日です。今後の家計管理に思いをめぐらす方もいるのではないでしょうか。

そんな中、一定の要件を満たす方には「年金生活者支援給付金」という制度があります。この制度は、年金に上乗せして毎回支給される給付金で、年金だけで暮らす方を支援する目的で導入されています。今回は、日本年金機構などの最新情報をもとに、年金生活者支援給付金の金額や支給対象、手続きの流れなどについて解説します。

1. 2025年度【年金生活者支援給付金】はいくらもらえる?

「年金生活者支援給付金」は、年金収入やその他の所得額が一定基準額以下の年金生活者を支援する目的で、2カ月に一度、年金に上乗せして支給される給付金です。

受給中の年金種類により「老齢年金生活者支援給付金」「障害年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」の3つに分かれており、それぞれで支給要件や支給額などが決められています。

1.1 2025年度は2.7%増額!給付額の目安とは

2025年度の年金生活者支援給付金の給付金額は、前年度から2.7%引き上げとなりました。

【2024年→2025年】年金生活者支援給付金の支給金額

年金生活者支援給付金の支給金額

出所:日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」

【2025年度】

  • 老齢年金生活者支援給付基準額(月額):5450円
  • 障害年金生活者支援給付金(月額):1級6813円・2級5450円
  • 遺族年金生活者支援給付金(月額):5450円

老齢年金生活者支援給付金については、この基準額に基づき保険料納付済期間等に応じて実際の給付額が計算されます。

上記はいずれも「月額」の金額です。支給日には2カ月分まとめて、年金に上乗せされます。上記の金額通り受給できる場合、1回の支給で約1万円、年額にすると約6万円受け取れます。

なお、「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2024年3月における平均給付月額(※)は、老齢年金生活者支援給付金4014円、障害年金生活者支援給付金5555円、遺族年金生活者支援給付金5057円です。

※2024年3月において認定されている平均給付金額です。