3. 老後のすまいの選択肢

老後のすまいの選択肢として考えられるのは、以下の3つです。

  • 今のまま持家に住み続ける
  • 持家を売却・貸与して賃貸物件に移り住む
  • 持家を処分して老人ホームに入所する

複数の選択肢から、自分がしやすい方法や、今後の生活を安心して送れる方法を選びましょう。

3.1 今のまま持家に住み続ける

自身が亡くなっても親族が家に住み続ける場合や、処分ができる場合は、今のまま持家に住み続けたほうが精神的に安心するでしょう。

持家を手放して新しい街や地区に引っ越すとなると、引越しの準備や新居の近所への挨拶、自治会の加入など、さまざまな手続きが必要になります。高齢になるとこうした手続きが負担になりやすいです。現在の環境のまま過ごすのが、精神的によい影響をもたらす場合もあるでしょう。

また、税金や修繕費といった家の維持費は、老後のために貯蓄した資産を取り崩すなどして対応するとよいです。必要に応じてバリアフリーの改修などをすると、さらに住みやすくなります。国では手すりの設置や段差の解消などの工事で、住宅改修費の9割(上限20万円)が補助されます。自治体のリフォーム助成なども活用すれば、修繕費の支出を最低限に抑えられるでしょう。

3.2 持家を売却・貸与して賃貸物件に移り住む

持家を売ったり誰かに貸したりして手放し、自身は賃貸物件に住めば、維持費をかけずにすまいを維持できます。

持家を売却すれば、まとまった資金を得られます。老後の生活や新居の家賃支払いに充てられるため、支出を抑えられるでしょう。ただし、売却先が見つかるかどうかは、不動産の価値によって異なります。持家の老朽化が激しいと、売却先が見つからなかったり、売却しても十分な資金を得られなかったりする可能性があります。

持家を誰かに貸す場合は、賃借者から家賃収入を得られるため、それを自身の家賃収入に充てられます。ただし、空室の時間が増える点や、自分が大家となり管理しなければならない点、不動産管理会社への管理委託手数料がかかる点など、デメリットも多いため注意しましょう。