3. 【年齢別】身体障害者手帳の取得状況を年代別に分析

次に、「どの年代で身体障害者手帳を所持している人が多いのか」みていきましょう。

厚生労働省の「令和4年生活のしづらさなどに関する調査」によると、2022年時点での身体障害者手帳所持者数は総計415万9000人です。このうち、70歳以上が259万1000人と全体の62.3%を占めています。これは、加齢や疾病に伴う身体機能の低下が、手帳所持の主な要因となっていることを示しています。

一方、18歳未満の所持者は0〜9歳が4万7000人(1.1%)、10〜17歳が4万9000人(1.2%)と、合計で全体でわずか2.3%に留まります。しかし、2016年の前回調査と比較すると、18歳未満の所持者数は増加傾向にあります。これは、医療技術の進歩による早期診断の普及や、障がいのある子どもへの支援制度の認知度向上が背景にあると考えられます。

総じて、身体障害者手帳の所持者は高齢層に集中していますが、若年層でも必要な支援へアクセスするための手帳取得が進んでいる状況が見て取れます。なお、障がいがある人を支える社会保障制度には障害年金もありますが、これは身体障害者手帳とは制度の目的や認定基準が異なる点に注意が必要です。