2. 公的年金（国民年金・厚生年金）の仕組みをおさらい
公的年金の基本的なしくみについても改めて確認しておきましょう。
現役世代の方は、自分や家族が将来どの年金を受け取ることになるのか、把握できているでしょうか。
2.1 公的年金は「国民年金と厚生年金」の2階建て
日本の公的年金制度は、「国民年金」を1階部分、「厚生年金」を2階部分とする、いわゆる2階建ての仕組みになっています。
それぞれの制度について、基本的な内容を確認しておきましょう。
2.2 国民年金と厚生年金の違いは何がある？
「国民年金」は、基礎年金とも呼ばれ、日本の年金制度の土台にあたる部分です。
原則として、日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入しなければなりません。
保険料は全国一律※1で、将来受け取る年金額は納付した期間に応じて決まります※2。
これに対して、2階部分の「厚生年金」は、いわゆる被用者年金で、会社員や公務員など雇用されている人が、国民年金に加えて加入する制度です※3。
厚生年金の保険料は、毎月の給与や賞与をもとに計算され※4、受け取る年金額は現役時代の加入期間や納付額に応じて決まり、国民年金に上乗せされる形で支給されます。
つまり、老後に受け取る年金は「国民年金のみの人」と「国民年金＋厚生年金の両方を受け取る人」に分かれる仕組みです。
- 国民年金のみを受給する人：フリーランス、専業主婦、自営業者など
- 国民年金＋厚生年金のどちらも受給する人：会社員や公務員、またパート・アルバイトで特定適用事業所※5に働き一定要件を満たした人など
では、現代のシニア世代はどのくらいの年金を受け取っているのでしょうか。
次章では、国民年金と厚生年金の「60歳～90歳以上」の平均月額を1歳刻みで見ていきます。
※1:国民年金保険料：2025年度の月額は1万7510円
※2:保険料を480カ月の全期間納付すると老齢年金の満額（2025年度の月額は6万9308円）を受給できる
※3:被保険者区分は第1号～第4号。第1号は、第2号～第4号以外の、民間の事業所に使用される人、第2号は国家公務員共済組合の組合員、第3号は地方公務員共済組合の組合員、第4号は私立学校教職員共済制度の加入者
※4:保険料額は標準報酬月額（上限65万円）、標準賞与額（上限150万円）に保険料率をかけて計算されます。
※5:1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者（短時間労働者は含まない、共済組合員を含む）の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
