2.3 保護率が高い都道府県の特徴

保護率が高い都道府県には、年間収入が低いという共通した特徴がみられます。

総務省の「2019年全国家計構造調査 所得に関する結果及び家計資産・負債に関する結果 結果の概要」によると、世帯年収が低い都道府県は、低い順に次のようになっています。

  • 1位 沖縄県
  • 2位 鹿児島県
  • 3位 高知県
  • 4位 北海道
  • 5位 宮崎県

世帯年収が最も低い沖縄県は保護率も最も高くなっており、世帯年収が2番目に低い鹿児島県は、保護率の高さは9位です。

また、高知県の保護率は7位、北海道の保護率は3位だったことから、年間収入が低いほど保護率が高くなる傾向があるといえます。

ただし、保護率が5番目に高かった東京都では、平均年収が最も高額となっていることから、例外もあることには留意しましょう。

また、保護率の高さは完全失業率とも関係があると見られます。

総務省の「労働力調査」 によると、完全失業率が高い都道府県上位5は以下の通りです。

  • 1位:宮城県 3.2%
  • 〃:沖縄県 3.2%
  • 3位:青森県 3.1%
  • 〃:大阪府 3.1%
  • 5位:福岡県 2.9%

保護率の高い都道府県と重複していることがわかるでしょう。

3. 年間収入が低く完全失業率が高い都道府県ほど「生活保護受給率が高い」傾向に

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保護率の高い、または低い都道府県の上位10をご紹介しましたが、年間収入が低く完全失業率が高い都道府県ほど生活保護受給率が高い傾向があることがわかりました。

生活保護の申請件数は増加傾向にあり、5年連続で前年度を上回っている状況です。

生活が苦しいとき、生活保護を受給することは誰にでも等しく認められた権利です。

家計のやりくりをしてもどうしても不足が出るときは、生活保護の申請を検討するのも一案でしょう。

参考資料

木内 菜穂子