厚生労働省の調査によると、全国の「高齢者世帯(※65歳以上の者のみの世帯、または、これに18歳未満の未婚の者が加わった世帯)」は1656万世帯で、全世帯5445万2000世帯のうちの30.4%を占めています。
また、高齢者世帯のうち、単独世帯は高齢者世帯全体の51.6%を占め、半数以上がおひとりさま世帯です。その数は年々増加傾向にあります。
おひとりさまが老後生活を送るには、さまざまなことを考えておく必要がありますが、そのひとつにお金の問題があります。
そこで今回は、記事の前半では70歳代の平均貯蓄額や年金額など、70歳代のおひとりさまのお金事情について、記事の後半では、おひとりさまが老後を迎える前に考えておきたいことについてお伝えします。さっそくみていきましょう。
1. 【70歳代】おひとりさまのお金事情、平均貯蓄額はどのくらい?
70歳代のおひとりさまは、貯蓄をいくら保有しているのでしょうか。まずは、70歳代・単身世帯の金融資産保有額の平均、中央値から見ていきましょう。
【70歳代・単身世帯の金融資産保有額】
- 平均値:1634万円
- 中央値:475万円
※上記は金融資産を保有していない世帯も含む
中央値とは、集めたサンプルのちょうど真ん中に位置する値のことです。つまり、調査した方の半数は、金融資産保有額が475万円より少なく、残りの半数は金融資産保有額が475万円より多いことを示しています。
次に、70歳代のおひとりさまが保有している平均貯蓄額別に、保有者の割合を見ていきましょう。
- 金融資産非保有:27.0%
- 100万円未満:5.1%
- 100~200万円未満:5.7%
- 200~300万円未満:4.9%
- 300~400万円未満:3.9%
- 400~500万円未満:2.2%
- 500~700万円未満:7.3%
- 700~1000万円未満:5.9%
- 1000~1500万円未満:8.9%
- 1500~2000万円未満:4.7%
- 2000~3000万円未満:6.1%
- 3000万円以上:15.9%
- 無回答:2.4%
上記は、金融資産非保有世帯も含めた、70歳代の金融資産保有額の割合です。じつに27%が貯蓄を保有していない一方で、2000万円以上の金融資産を保有する世帯は全体の22.0%となっています。