2025年6月13日、「年金制度改正法」が成立しました。

めまぐるしく変化する社会経済に適応させ、その機能を強化するために改正される年金制度。

複数の項目で改正がおこなわれていますが、今回はそのうちの1つ「厚生年金保険料等の標準報酬月額の上限引き上げ」をピックアップして改正内容について詳しくみていきます。

1. 「厚生年金保険」は給与や賞与などにより決定

厚生年金保険は、主に会社員やパートなどの労働者が加入する公的年金制度です。

保険料は、月々の給料(報酬)やボーナス(賞与)に応じて計算されます。現在の保険料率は18.3%で、そのうちの半分を勤務先の会社が、もう半分を加入している本人が負担する仕組みになっています。

収入が高いほど保険料も増える仕組みですが、上限が設けられており一定以上の収入には反映されません。

 

現行の標準報酬月額は上表のとおり65万円。今回の改正により、この標準報酬月額が引き上げられます。

 

次章では、厚生年金の標準報酬月額の引き上げについて、その背景や影響を受けるのはどういう方々かを詳しくみていきます。