8. いまどきシニア「厚生年金・公民年金」男女差・個人差はどれほどある?
個人差に着目しながら全受給権者(60歳~90歳以上)の年金月額分布を、厚生年金・国民年金ともに見ていきましょう。
8.1 厚生年金《平均月額の男女差・個人差に着目》
〈全体〉平均年金月額:14万6429円
- 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
- 〈女性〉平均年金月額:10万7200円
※国民年金部分を含む
年金月額階級ごとの受給者数
- 1万円未満:4万4420人
- 1万円以上~2万円未満:1万4367人
- 2万円以上~3万円未満:5万231人
- 3万円以上~4万円未満:9万2746人
- 4万円以上~5万円未満:9万8464人
- 5万円以上~6万円未満:13万6190人
- 6万円以上~7万円未満:37万5940人
- 7万円以上~8万円未満:63万7624人
- 8万円以上~9万円未満:87万3828人
- 9万円以上~10万円未満:107万9767人
- 10万円以上~11万円未満:112万6181人
- 11万円以上~12万円未満:105万4333人
- 12万円以上~13万円未満:95万7855人
- 13万円以上~14万円未満:92万3629人
- 14万円以上~15万円未満:94万5907人
- 15万円以上~16万円未満:98万6257人
- 16万円以上~17万円未満:102万6399人
- 17万円以上~18万円未満:105万3851人
- 18万円以上~19万円未満:102万2699人
- 19万円以上~20万円未満:93万6884人
- 20万円以上~21万円未満:80万1770人
- 21万円以上~22万円未満:62万6732人
- 22万円以上~23万円未満:43万6137人
- 23万円以上~24万円未満:28万6572人
- 24万円以上~25万円未満:18万9132人
- 25万円以上~26万円未満:11万9942人
- 26万円以上~27万円未満:7万1648人
- 27万円以上~28万円未満:4万268人
- 28万円以上~29万円未満:2万1012人
- 29万円以上~30万円未満:9652人
- 30万円以上~:1万4292人
厚生年金の平均年金月額は男女全体で14万円台ですが、男性16万円台、女性10万円台と男女差があります。
加えて、上記のように月額1万円未満の低年金となる人から、25万円超の高額受給者まで、幅広い層に分布しています。
8.2 国民年金《平均月額の男女差・個人差に着目》
〈全体〉平均年金月額:5万7584円
- 〈男性〉平均年金月額:5万9965円
- 〈女性〉平均年金月額:5万5777円
年金月額階級ごとの受給者数
- 1万円未満:5万8811人
- 1万円以上~2万円未満:24万5852人
- 2万円以上~3万円未満:78万8047人
- 3万円以上~4万円未満:236万5373人
- 4万円以上~5万円未満:431万5062人
- 5万円以上~6万円未満:743万2768人
- 6万円以上~7万円未満:1597万6775人
- 7万円以上~:227万3098人
国民年金の平均年金月額は、男女ともに5万円台、「6万円以上~7万円未満」がボリュームゾーンです。
2万円未満となる人も一定数存在しますが、多くの人が満額に近い受給額であることもうかがえます。
9. まとめにかえて
今回は、公的年金の仕組みや、最新年金額例、今のシニア世代の受給額事情を見てきました。
公的年金は老後の暮らしを支える大きな柱ですが、未来の経済状況、そして年金のしくみがどう変わるかは予測できません。
そのため、公的年金「だけに」頼るのではなく、私たち一人ひとりの計画的な「自助努力」がますます大切になっていくでしょう。
このような「老後準備」の話題で、「老後2000万円問題」を想起された方もいるでしょう。2017年の家計調査を基に2019年に公表された試算で、老後資金の一つの目安とされましたが、これも絶対的な金額ではないことを理解しておく必要があります。
まずは、周りの情報に惑わされず、ご自身のライフプランを作成してみましょう。また、今後は貯蓄だけでなく「お金にも働いてもらう」資産運用の視点も不可欠と言えるでしょう。
新NISAやiDeCoなど、少額から資産運用をスタートできる税制優遇制度などの活用を検討するのも一案です。情報収集からスタートしてみてください。