筆者が信用金庫職員として勤務していた頃、年金支給日の窓口やATMには多くのお客様が来店されました。2カ月に一度の支給日が来るたびに、年金が暮らしを支える大切なお金であることを改めて実感したものです。

「人生100年時代」と呼ばれるいま、豊かな老後生活を考えることは、まずご自身の年金について正しく知ることから始まります。

将来必要となる老後資金額は、健康状態や家族構成はもちろん、年金をいくら受け取れるかによって大きく変わってくるからです。

2025年6月13日に成立した年金制度改正法では、いわゆる「106万円の壁」の見直しに向けた、パートなどで働く方への社会保険の適用拡大が盛り込まれています。

このように、現役時代の働き方が、将来の年金額に直接つながっていることを心得ておく必要もあるでしょう。

そこで今回は、ご自身のライフプランを見つめ直す第一歩として、公的年金制度のしくみや、先日成立した「年金制度改正法」について整理してお伝えしていきます。

記事後半ではいまのシニア世代の受給額事情も見ていきましょう。