8. 【豆知識】第3号被保険者が扶養から外れるとき、どのような手続きが必要か?

会社員や公務員(第2号被保険者)の配偶者として扶養されていた人(第3号被保険者)が、以下の理由で扶養から外れるとご自身の国民年金の被保険者区分が変わります。

8.1 第3号被保険者が「扶養から外れる」ケースとは

  • 配偶者(第2号被保険者)が勤め先を退職したとき
  • 配偶者(第2号被保険者)が65歳を超えたとき
  • 配偶者(第2号被保険者)が亡くなったとき
  • 配偶者(第2号被保険者)と離婚したとき
  • 第3号被保険者である主婦・主夫の収入が増え、配偶者の被扶養者から外れたとき

8.2 第3号被保険者が「扶養から外れる」手続きをケースごとに整理

第1号被保険者となる場合

  • お住まいの市区町村の窓口で、第3号被保険者から第1号被保険者への切り替え手続きが必要です(※)
  • ご自身で国民年金保険料を納付します。
    ※「配偶者と離婚した」「収入増により配偶者の被扶養者から外れた」場合は、市区町村の窓口と、第2号被保険者の勤務先への届け出が必要です。

第2号被保険者となる場合

  • 勤務先を通じて厚生年金への加入手続きをする
  • 勤務先と折半して、給与からの天引きで年金保険料を納付する

第3号被保険者だった期間は、年金保険料の自己負担の必要はありませんが、将来の年金額にしっかりと反映されます。

一方、扶養から外れると国民年金保険料を自分で納める「第1号被保険者」、もしくは厚生年金へ加入して働く「第2号被保険者」となるのが原則です。

その後の働き方や過ごし方によって、加入する年金は異なります。扶養を外れた際は必要な手続きを速やかにおこないましょう。

9. 2025年の「グローバル・ジェンダーギャップ・レポート」から考える男女格差

第3号被保険者から外れるという選択は、働き方や人生のステージを見直す大きな一歩です。これまでとは異なる社会保障の仕組みに入ることになり、不安も伴うかもしれません。

特に、家庭と仕事を両立させながらフルタイムで働くというのは、決して簡単なことではないでしょう。時間や体力のやりくり、家族とのバランスに悩むこともあるかもしれません。「もっと自立したい」「自分の力でキャリアを築きたい」という想いがあっても、それを支える環境が整っていない現実に直面することもあります。

2025年の「グローバル・ジェンダーギャップ・レポート」では、日本は148カ国中118位と、依然として低い水準にとどまっています。特に経済・政治分野の格差が大きく、女性が継続的に働きやすい社会には、まだ遠い状況です。

だからこそ、自分の意思で選択し、前に進もうとする決断には、大きな意味があります。制度を正しく理解し、将来を見据えた判断を積み重ねていくことで、自分らしい人生設計が描けるのではないでしょうか。焦らず、自分のペースで選べる道を少しずつ広げていけると良いかもしれません。

参考資料

三石 由佳