元信用金庫職員である筆者は、偶数月の15日に年金を引き出しにご来店されるお客様で窓口やATMが賑わっていたことを思い出します。
その光景を見るたびに、シニア世代のみなさんにとって「公的年金」がいかに大切な生活の支えであるかを強く実感していました。
しかし、少子高齢化が急速に進む日本では、年金制度の持続可能性が大きな課題となっていることも確かです。
では、今のシニア世代はどの程度年金を受け取れているのでしょうか。
この記事では、厚生労働省の一次資料をもとに、最新の年金改定や、今のシニア世代が実際に受け取っている年金額について、各年齢の平均をリスト形式で確認していきます。
また、老後の年金は自然に振り込まれるわけではなく「請求手続き」が必要です。記事後半では年金を受け取る手続きに関する豆知識コラムをお届けします。
1. 最新版2025年度「国民年金・厚生年金」年金額例をチェック!
公的年金額は物価や現役世代の賃金を考慮して、年度ごとに見直されるルールです。2025年度の年金額は、前年より1.9%引き上げとなりました。
1.1 【最新版】2025年度「国民年金」と「厚生年金」の年金額例
厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」によると、モデル夫婦世帯(※1)は夫婦2人分で月額23万2784円。国民年金の満額(※2)は月額6万9308円です。
夫婦ともに国民年金(満額と仮定)を受け取る世帯の場合、2人分の合算額はひと月13万8616円となります。
なお、公的年金(国民年金・厚生年金)ならびに「年金生活者支援給付金(※)」の支給は「偶数月の15日」。15日が土日・祝日の場合は直前の平日に前倒しとなります。
今回の改定率が適用された「4月分」の年金は「6月13日 金曜日」に支給されています。
※1 男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45.5 万円)で 40 年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
※2 国民年金保険料を全期間(480カ月)納付した場合に65歳以降で受給できる年金額