2. 老齢厚生年金の支給額決定方法

次に、老齢厚生年金の支給額が、どのように決定されるのかを見ていきます。

厚生年金(社会保険)に加入していた人が受給できる年金額は、原則として以下の2つの金額を合算して計算されます。

  • 報酬比例部分(厚生年金部分)
  • 老齢基礎年金額

ただし、年齢や配偶者の状況によって、それ以外にも上乗せ額がある場合や、異なる計算を用いる場合もあります。2つの金額の決定方法を解説していきます。

2.1 報酬比例部分(厚生年金部分)の計算

報酬比例部分は、社会保険の加入期間と、報酬月額相当額によって計算されます。

報酬比例部分

報酬比例部分

出所:日本年金機構「報酬比例部分」

社会保険加入中に受け取っていた月の報酬額と、年間の賞与額によって決定するのが「報酬月額相当額」です。報酬比例部分は報酬月額相当額と社会保険の加入期間に比例して支給額も上がる計算となっているため、社会保険加入時の給与や賞与が高く加入期間が長いほど、受給できる年金額が高くなります。

2.2 老齢基礎年金額の計算

老齢基礎年金の金額は、国民年金の納付年数によって決定します。

国民年金は、原則として20歳から60歳未満の日本居住者は一律で納付義務があり、加入義務期間に保険料の納付をしていれば、年金の受給額も一律となります。

さらに、社会保険に加入している期間は、保険料の納付をすることなく「国民年金の納付済期間」としてカウントされます。

2023年度の満額での国民年金受給額は月額6万6250円でした。(2025年度は6万9308円)

厚生年金加入者は、先ほど説明した国民年金(老齢基礎年金)の金額に、厚生年金(報酬比例部分)が上乗せされて年金として支給されます。