2025年度の年金額は、2024年度から1.9%の増額となりました。年金支給額は1年ごとに見直しがされており、毎年の変更が反映されるのは4月分の年金額からとなっています。2025年4月分の年金額は5月分と合わせて6月に振り込まれるため、6月は増額後の年金が最初に振り込まれる月です。
年金の受給額は、このように物価の変動や経済状況による全体的な調整はあるものの、基本的に最初に支給される金額から個人として金額が変わることはありません。
その中で「月額30万円」以上の年金を受給している人は、高額受給者であると考えられています。皆さまは、実際に月額30万円以上を受給している人がどの程度いるのかをご存じでしょうか。
本記事では、年金受給額ごとの受給者割合と、低所得な年金生活者が受け取ることができる「支援給付金」制度について解説します。ぜひ参考にしてください。
1. 年金受給の実態
まずはじめに、最新データによる年金受給者の実態を確認していきます。
1.1 受給額ごとの年金受給者割合
2023年度末の厚生年金受給者は、男女合計で1605万4729人です。その中で、受給額区分ごとの受給者人数と割合は以下のようになっています。
【受給金額別の受給人数(割合)】
- 0-5万円未満:30万228人(1.87%)
- 5-10万円未満:310万3349人(19.33%)
- 10-15万円未満:500万7905人(31.19%)
- 15-20万円未満:502万6090人(31.31%)
- 20-25万円未満:234万343人(14.58%)
- 25-30万円未満:26万2522人(1.64%)
- 30万円以上:1万4292人(0.09%)
【平均額】
- 〈全体〉平均年金月額:14万6429円
- 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
- 〈女性〉平均年金月額:10万7200円
※国民年金(老齢基礎年金)の金額を含む
1.2 高額受給者の割合
上記で確認をした統計によると、月額30万円以上の年金を受給している高額受給者は、全体のわずか0.09%です。受給者人数からも、月額30万円以上の受給をすることがかなりのハードルであり、狭き門であることがわかります。
月額30万円以上の高額受給者となるためには、社会保険加入中に高額な報酬を得ることや、社会保険加入期間が長いこと、年金の繰下げ受給の活用などさまざまな要因を必要とします。