2. 専業主婦世帯のリアルな年収事情
「専業主婦になりたいな」と望んでも、家計の状況から二人で働く必要があるという世帯もあるでしょう。
ここでは総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)2024年」から、「夫のみ有業世帯(専業主婦世帯)」「夫婦共働き世帯」の平均年間収入を見てみます。
2.1 夫のみ有業世帯(専業主婦世帯)の平均年間収入
夫のみ有業世帯:714万円
- うち夫婦と未婚の子供1人の世帯:727万円
- (世帯主の年齢46.1歳)
- うち夫婦と未婚の子供2人の世帯:773万円
- (世帯主の年齢42.2歳)
夫婦共働き世帯:872万円
夫のみの収入で700万円台前半と聞くと、「この収入帯であれば、専業主婦として子育てをしながら貯蓄もしていけるかも?」と感じる方もいるかもしれません。
しかし、国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、1年間を通じて勤務した男性給与所得者のうち、年収700万円を超えるのは全体の34.3%(※)です。
この数字からは、夫ひとりの収入で安定した生活を送れる「専業主婦世帯」が、すべての家庭にとって現実的な選択肢とは限らないことも分かります。
もちろん、これは額面年収を基にした一つの目安です。
実際には、勤務先の福利厚生(社宅や住宅補助の有無)、資産状況や家計のやりくりなど、年収の数字だけでは一概に測れないさまざまな要素も暮らしに影響してくることを、心に留めておきたいですね。