4. お金は「分散」が基本!老後の資産形成をiDeCoにかためるのは危険

iDeCoは税制優遇が最大の魅力である制度です。

しかし、原則60歳(※受給開始年齢は、加入期間等に応じて決まります。)まで引き出せないため、老後資金を準備するにあたりすべてをiDeCoにかためるのは危険です。

お金は使う時も貯める時も、計画的に行いましょう。

まずは、生活費の3~6カ月分を緊急予備資金として現金やすぐに引き出せる普通預金などに確保しておきます。

これ以外の資金を「〇年後に必要となる子どもの教育資金」、「必要になる可能性がある親の介護資金」、というように色分けして貯金すると良いでしょう。

もし、病気や怪我、失業などで一時的に収入が途絶え、お金が必要になった場合には、傷病手当金や失業給付などがもらえないか確認してみてください。ほかにも生活福祉資金貸付制度といった貸付制度を利用できる可能性もあります。

どのような理由でお金が必要になったのか、あるいは、どのような目的でお金が必要なのかによって、利用できる支援制度が異なります。困った時に頼れる制度がないか、調べてみると良いでしょう。

5. 毎月の拠出で「税制優遇の恩恵」はこんなにも…

iDeCoは、「原則60歳まで引き出せない」ことがデメリットに感じられますが、着実に老後資金を貯める適切な制度ともいえます。

iDeCoの魅力は「税制優遇」。たとえば年収500万円の人が40歳から65歳まで毎月1万円を拠出した場合、税金面での優遇は以下のとおりとなります。

【1年の軽減額】

  • iDeCoによる所得税軽減額 1万2000円(未加入の場合0円)
  • iDeCoによる住民税軽減額 1万2000円(未加入の場合0円)
  • iDeCoによる税制優遇額 2万4000円(未加入の場合0円)

【25年の軽減額】

  • iDeCoによる所得税軽減額 30万円(未加入の場合0円)
  • iDeCoによる住民税軽減額 30万円(未加入の場合0円)
  • iDeCoによる税制優遇額 60万円(未加入の場合0円)
  • iDeCoの積立総額 300万円(未加入の場合0円)

さらに運用益が非課税に。老後に資産を受けとる際にも税制優遇が受けられます。

本記事でご紹介したとおり、メリットとデメリットがあります。iDeCoの特徴をしっかりと理解して上手に活用しましょう。

参考資料

和田 直子