3. iDeCoを利用する前に知っておきたい「注意点」は何がある?
最後に、iDeCoを利用する前に知っておきたい「注意点」について確認しておきましょう。
iDeCoを利用する際に押さえておきたいポイントの一つが、「原則として60歳までは引き出せない」という点です。
iDeCoは、あくまで「老後資金の形成」を目的とした制度であるため、60歳になるまでは途中解約や資金の引き出しが基本的にできません。
また、iDeCoは資産が増える可能性がある一方で、運用成績によっては元本が減るリスクもあることを理解しておく必要があります。
さらに、加入時や運用中には一定の手数料が発生するため、コスト面にも注意が必要です。
とはいえ、こうした注意点を踏まえてもなお、長期的な視点で複利効果を活かしつつ税制優遇のメリットを享受できるのはiDeCoの大きな魅力です。
利用にあたっては、メリット・デメリットを十分に理解し、計画的に活用することをおすすめします。
4. 半数以上が「年金だけで生活できていない」。老後資金の準備はお早めに
本記事では、iDeCoの基本的な仕組みから活用メリット、注意点について解説していきました。
厚生労働省が発表した「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、年金だけで生活費の全額を賄えている高齢者世帯は全体の「41.7%」にとどまっています。
上記を言い換えると、年金収入のみで生活する高齢者世帯の半数以上が、貯蓄や働くことで不足分を補っているのです。
こうした実態を踏まえると、現役時代から計画的に老後資金を準備することが、安心した老後生活を送るうえで重要となるでしょう。
特に、iDeCoのような資産運用制度を活用する場合は、早期に始めることで複利効果を最大限に活かせるため、できるだけ早く準備を始めることをおすすめします。
参考資料
- iDeCo公式サイト「かんたん税制優遇シミュレーション」
- iDeCo公式サイト「iDeCo(イデコ)の特徴」
- iDeCo公式サイト「iDeCo(イデコ)のメリット」
- iDeCo公式サイト「iDeCo(イデコ)の加入資格・掛金・受取方法等」
- 厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」
- 国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」
和田 直子