お米をはじめとした物価上昇が続く現在、ダブルインカムの共働き世帯でも「家計が苦しい」と感じることも珍しくありません。

株式会社マイナビが実施した調査によると、共働き世帯のおよそ半数が「生活が苦しい」と感じている実態が明らかになっています。

この記事では、共働き世帯の家計の実態や理想としている世帯年収について解説します。

1. 共働き世帯でも約半数が「生活が苦しい」と感じている

共働き世帯は年々増加しており、家計の安定や将来への備えのために夫婦ともに働くことを選ぶ世帯も多く見られます。

夫婦2人分の収入がある共働き世帯では、「生活にゆとりがある」、「将来の備えも万全にできる」といったイメージを持たれることも珍しくありません。

しかし、株式会社マイナビが共働き世帯の正社員を対象に実施したアンケート調査(2025年5月15日公表)によると、共働き世帯の「生活が苦しい」と感じる割合は下記の通りとなっています。

  • そう思う・・・15.9%
  • ややそう思う・・・30.1%
  • あまりそう思わない・・・29.7%
  • そう思わない・・・21.6%
  • 答えたくない・・・2.7%

「そう思う(15.9%)」と「ややそう思う(30.1%)」の合計は46.0%となっており、約半数の世帯が生活の苦しさを感じている状況です。

2. 共働き世帯の理想の年収は約1100万円

同調査によると、共働き世帯の平均世帯年収は806万4000円となっています。

それに対して理想の世帯年収は1126万3000円となっており、現実と理想の年収の間に、およそ320万円の差があることが分かります。

また、子供の有無別で見ると、子供がいる世帯はさらにそのギャップが大きい傾向にあるようです。

子供がいない世帯の平均世帯年収は682万4000円であるのに対して、理想の世帯年収は969万8000円となっており、287万円以上のギャップがあります。

一方、子供がいる世帯では平均世帯年収が901万3000円であるのに対して、理想の世帯年収は1247万3000円となっており、その差は346万円にものぼります。

この傾向から、共働き世帯ではどのような不安を感じているのか次の章でくわしく考えてみましょう。

3. 理想と現実のギャップから見る「共働き世帯が感じる不安」

先ほど共働き世帯の平均世帯年収が約800万円であることを紹介しましたが、これは「生活が苦しい」と感じるほどの年収水準なのでしょうか。

総務省の家計調査によると、二人以上世帯における勤労者世帯では毎月の消費支出が32万5137円となっています(2024年平均)。

二人以上の世帯のうち勤労者世帯の収支3/4

二人以上の世帯のうち勤労者世帯の収支

出所:総務省「家計調査報告-2024年(令和6年)12月分及び2024年平均-」

年換算しても約390万円の消費支出ですので、800万円の年収があれば十分生活費はまかなえるように感じられます。

にもかかわらず共働き世帯が生活苦を感じる主な要因として、将来への備えに対する不安が挙げられます。

子供の教育費やマイホームの取得費、老後生活の備えなどを踏まえると、毎月数万円の積立が必要になることも珍しくありません。

目の前の生活費だけを考えればやりくりできないこともないけれど、将来のことを考えると今のうちから備えておかないと不安…そう感じている人が多いのではないでしょうか。

さらに物価上昇や税金・社会保障費の負担が大きくなっていることを考えると、結果的に「収入はあっても余裕はない」と感じる人が多いのも無理はないのかもしれません。

4. 「ダブルインカムなら安心」とはいえない時代にどう備える?

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maruco/shutterstock.com

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かつては「ダブルインカムがあれば安心」と考えられていたこともありましたが、現在ではそういった考えが通用しにくくなっている状況です。

さらにこれから少子高齢化が深刻化していくことを踏まえると、「自分のことは自分で備えなければ」と感じている世帯も多いでしょう。

共働き世帯が感じる漠然とした不安は、こうした将来に対する不安からくるものかもしれません。

不安を解消するためには「より収入を増やす」という方法もありますが、大切なのはいかに支出をコントロールしながら上手に備えていくかです。

まずは家計をしっかりと管理しながら、「どのようなライフプランを立てるか」、「そのためにはどのような備えが必要か」ということを明確にしてみましょう。

参考資料

椿 慧理