私たちとお金の付き合いは生涯続きます。特に子育て世帯においては、住宅ローンと教育費というコアな出費に頭を悩ませているケースは少数派ではないでしょう。
厚生労働省の「2023(令和5)年 国民生活基礎調査」によると、子どものいる世帯の雇用者所得(※1)の平均は710万8000円です。
ただし、この「雇用者所得」は、いわゆる税金や社会保険料が天引きされる前の金額であり、実際に手元に残る金額はこれより大幅に少なくなります。多くの世帯にとって、この平均額では経済的なゆとりを感じにくいのが現状でしょう。
ちなみに令和6(2024)年度からの「⾼等教育の修学⽀援新制度」の改正でも、授業料減免等の支援が世帯年収600万円程度(※2)までの中間層にまで拡大されています。
こうした状況下で、「年収600万円の子育て世帯」は、平均してどれくらいの貯蓄と負債を抱えているのでしょうか。
今回は、2025年5月15日に公表された総務省の家計調査(貯蓄・負債編)の結果をまじえながら、「年収600万円の子育て世帯」のお金事情を探っていきます。
※1 雇用者所得:世帯員が勤め先から支払いを受けた給料・賃金・賞与の合計金額で税金や社会保険料を含む
※2 基準を満たす世帯年収は家族構成により異なります