4. 【年金の繰上げ・繰下げ】年金額はどう変わる？シミュレーション比較
ここからは、繰上げ・繰下げ受給した場合の「年金額の違い」をシミュレーションしていきます。
厚生労働省年金局の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金（国民年金部分を含む）の平均月額は14万6429円です。
今回は分かりやすくするために、年金額が月額15万円と仮定して、60歳から90歳までの各年齢で受給を開始した場合の累計受け取り額をシミュレーションしてみます。
60歳・65歳・70歳・75歳・80歳・85歳・90歳《各年齢での累計受給額はいくら？》
出所：日本年金機構「年金の繰上げ・繰下げ受給」をもとにLIMO編集部作成（「keisan 生活や実務に役立つ計算サイト」を使用）
70歳や75歳までに亡くなった場合は、早めに受給を始めた方が累計受け取り額が多くなります。一方で、80歳時点では65歳から受け取り始めた場合が最も多く、85歳を超えると繰下げ受給の方が総額が上回るようになります。
自分の資産状況や健康面、ライフプランを踏まえて、自分にとって最適な受給タイミングを考えていくことが大切です。
5. まとめにかえて
今回は、65歳以上の二人以上世帯における貯蓄の実態や2025年度の年金額の改定について解説しました。年金の増額は生活を支える重要な要素ではありますが、貯蓄状況を見ると、老後の資金準備が今なお大きな課題であることが分かります。
安心してセカンドライフを迎えるためには、年金に頼りきるのではなく、早い段階から計画的に資産を築く意識が求められます。今回の年金額改定を一つの節目として、これからの生活設計を見直し、将来に向けた備えを始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
中本 智恵
