次の年金支給日は6月13日で、この6月支給分から国民年金と厚生年金が1.9%引き上げられることになっています。物価高が続く中で、この増額は日々の生活にゆとりをもたらす一助となるでしょう。
しかし、65歳以上二人以上世帯の貯蓄額を見ると、平均値は高い一方で、貯蓄が少ない世帯も少なくありません。これを機に今の家計を見直しながら、将来に向けた備えについて考えてみてはいかがでしょうか。
この記事では、65歳以上の二人以上世帯の貯蓄状況や2025年度の年金額改定についてお伝えしていきます。
1. 65歳以上で「貯蓄2500万円以上」の割合は?
総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2024年(令和6年)平均結果-(二人以上の世帯)」から、65歳以上世帯全体の貯蓄額を見ていきます。
二人以上の世帯のうち、世帯主が65歳以上の世帯では、貯蓄現在高が2500万円以上の世帯が35.2%。一方で、300万円未満の世帯は14.8%です。
貯蓄保有世帯の平均値は2509万円、より実態に近い中央値は1658万円となっています。
2019年に話題となった「老後2000万円問題」では、多くの人が老後資金への不安を覚えたことでしょう。しかし、すべての高齢者世帯が同じように生活に困窮しているわけではありません。
貯蓄現在高が2500万円以上ある世帯は約3分の1にも上り、これは十分な備えができている世帯も少なくないことを示しています。
一方で、貯蓄が300万円未満の世帯も一定数見られ、高齢者世帯間の貯蓄格差は依然として大きな課題といえるでしょう。