2025年2月に内閣府より公表された「2024年度日本経済レポート」によると、60歳未満の現役世代を中心に、資産形成への意識が高まっていることが明らかになりました。
そうした状況のなか、2024年から制度が刷新された新NISAが、資産運用の選択肢のひとつとして利用されています。
運用益が非課税になる新NISAは、長期的な資産形成に取り組みやすい制度です。
本記事では、将来に向けた資産形成を検討している方のために、新NISAの仕組みや毎月5000円と5万円を20年間積立投資した場合のシミュレーションを紹介しています。
1. 新NISAとは
新NISA(少額投資非課税制度)は、国が個人の資産形成を後押しする目的で創設した制度です。
1.1 新NISAは運用益が非課税
通常、株式や投資信託などに投資して利益が出た際、売却して得た運用益や配当に対し、20.315%の税金がかかります。
一方、新NISAを利用すれば、金融商品から得られる運用益が非課税となり、通常かかる税金を支払うことなく資産運用が可能です。
現在、預貯金の低金利が続く中、インフレが進むと現金の価値が目減りするため、資産を「守る・増やす」手段として、投資の重要性が増しています。
1.2 【新NISA】非課税保有限度額は1800万円
新NISAには、つみたて投資枠と成長投資枠の2種類があり、非課税で投資できる上限金額が決まっています。
非課税保有限度額は1800万円ですが、成長投資枠のみで運用する場合は1200万円が上限となります。
【新NISAのポイント】
- 非課税保有期間が無期限
- つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能
- 非課税保有限度額:最大1800万円
つみたて投資枠
- 年間投資枠:120万円
- 投資対象商品:長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託
成長投資枠
- 年間投資枠:240万円
- 投資対象商品:上場株式・投資信託等
新NISAでは、少額をコツコツ積み立てる投資と、大きな金額を一括で投資する方法の両方に対応しています。
初心者から経験者まで、幅広い層に利用しやすい制度です。
次の章では、長期投資の考え方について紹介します。