現在賃貸住宅に住んでいる方などは、これからの住居について考えることが多いのではないでしょうか。
中には夢のマイホームを計画している方もいるでしょう。
国土交通省「令和6年度 住宅経済関連データ(1)建築工事費、消費者物価の推移」によると、物価の上昇に伴い、建設工事費も上昇していることが分かります。
既にハウスメーカー等で相談している方の中には、建築資材が高騰しているという話を聞いている方がいるかもしれません。
「これから家を建てよう」と考えた時に真っ先に思い浮かぶのが建築費用や土地代ですね。
住宅ローンも考慮していかなければなりません。
では建てた後にかかってくる「固定資産税」はどうでしょうか?
筆者は地方自治体で固定資産の担当をしていましたが、実際に家を建てた後になって「固定資産税」の問い合わせを受けることがしばしばありました。
意外と見落としがちな「固定資産税」。
今回はそんな「固定資産税」のうち、特に「家屋」について焦点を当てて見ていきたいと思います。
1. 固定資産税とは?
まず「固定資産」には3種類あり、土地・家屋・償却資産のことをいいます。
固定資産税とは、毎年1月1日時点で土地・家屋・償却資産を所有している方にかかる税金です。
固定資産が所在する市町村(東京都23区内の場合は東京都)に対して納めます。
※償却資産とは…土地、家屋以外の事業用の資産
2. 固定資産税の対象者(納税義務者)は?
固定資産税の対象者は以下のとおりです。
- 土地:土地登記簿、又は土地補充課税台帳に所有者として登記または登録されている人
- 家屋:建物登記簿、又は家屋補充課税台帳に所有者として登記又は登録されている人
- 償却資産:償却資産課税台帳に所有者として登録されている人
この「所有者として登録されている人」とは、いわゆる「名義人」のことを指します。
基準日が1月1日のため、その後に名義人変更をしたとしても、1月1日時点で所有していた人に当該年度一年度分の固定資産税がかかる点に注意が必要です。
3. 固定資産税の支払いはいつ?
固定資産税の支払い(納期)は全4回ですが、その時期は各自治体によって定められることとされており、自治体ごとに異なります。
3.1 東京23区の場合の納期
- 第1期 2025年6月1日から6月30日まで(納期限:6月30日)
- 第2期 2025年9月1日から9月30日まで(納期限:9月30日)
- 第3期 2025年12月1日から2026年1月5日まで(納期限:1月5日)
- 第4期 2026年2月1日から3月2日まで(納期限:3月2日)
納税通知書が届きますので、必ずそちらでご確認ください。
4. 固定資産税の計算方法は?
固定資産税は次のように計算されます。
- 税額=課税標準額(土地+家屋+償却資産)×税率(1.4%)
固定資産税の税率は1.4%が原則ですが、税率は自治体に応じて引き上げ可能であり、1.4%以上の税率を課している自治体もありますのでお住まいの自治体にご確認ください。
4.1 課税標準額とは?
「家屋」の場合、課税標準額=評価額です。
4.2 評価額はどうやって決めるの?
まず実際に自治体の担当者が物件を確認し、その外壁、屋根、内装、床材にどういった資材が使われているかなど細かく見て「固定資産評価基準」と照らし合わせて判断し、評価します。
そのうえで評価額を算出します。
家屋の評価額は
- 評価額=再建築価格×経年減点補正率
で算出されます。
再建築価格とは
評価した家屋とまったく同一のものを、評価額を算出する時点で再び新築するとした場合にかかる建築費を「再建築価格」といいます。
これは建築資材の物価等によって異なってきます。
つまり建築資材が高騰すれば再建築価格も上がるということです。
経年減点補正率とは
家屋は年々劣化していきます。
いわゆる「経年劣化」です。
そうなると資産としての価値も下がるため、再建築価格をそのまま採用するのではなく、一定の減少率をかけます。
この減少率が「経年減点補正率」です。
5. 新築住宅は固定資産税の減額対象になる
「新築後数年経ったら固定資産税が急に上がった」と言われる方が多くいらっしゃいますが、これは新築住宅の場合、一定の条件を満たせば固定資産税の減額が適用される特例措置があるためです。
5.1 減額される額
本来かかる固定資産税の「1/2」の額が減額されます。
5.2 減額される期間
- 一般住宅:新築後3年または5年度分
- 認定長期優良住宅:新築後5年または7年度分
期間経過後はこの措置がなくなり、本来の固定資産税額に戻ってしまうため注意しましょう。
6. 豆知識:意外と知らない落とし穴!固定資産税が高くなるガレージ
「家屋」というと家のことだと思いがちですが、実際に何が「家屋」にあたるかは以下の3つの要件を満たしているかで判断します。
- 定着性:基礎があり、土地に定着しているか
- 外気遮風性:「屋根」があり「三方向以上の周壁」があるか
- 用途性:居住・作業・貯蔵などの用途に供し得る状態であるか
では駐車場はどうでしょう。
屋根と柱のみのカーポートを思い浮かべてください。
これは上記を満たしていないため「家屋」に含まれず、課税対象とはなりません。
しかし三方向以上の壁があるガレージや、今流行りのビルトインガレージといったものは上記に含まれるため、「家屋」の一部として課税対象となります。
7. まとめにかえて
今回は「固定資産税」の種類や計算方法についてみていきました。
要点としては以下の3点です。
- 固定資産には「家屋、土地、償却資産」の3種類がある
- 支払いは年に4回あり、納期は自治体によって異なる
- 新築住宅には固定資産税が1/2減額となる措置がある
筆者が固定資産税の担当をしていた時、「ガレージに固定資産税がかかるなんて思わなかった」といった声が市民の方から上がりました。
家を建ててしまえばその先ずっと支払わなければならないのが「固定資産税」です。
理想の家を建てるのはとても夢があり大切なことですが、現実的にかかってくる費用と照らし合わせて考えてみてはいかがでしょうか。






