2. 【2025年度】年金額は増額改定も実質的には目減りの現状
厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」によると、2025年度の年金支給額は前年と比べて1.9%の増額改定となりました。
- 国民年金(老齢基礎年金):6万9308円(1人分)
- 厚生年金:23万2784円(夫婦2人分)
しかし、物価の上昇に対して年金の改定率が十分に反映されておらず、実質的な受取額は目減りし続けているのが現状です。
なお、これらの年金額はあくまで一例であり、実際の受給額は人それぞれの加入期間や収入実績によって大きく異なります。
次章では、現代のシニア世代が受け取っている「平均的な年金額」について詳しく見ていきましょう。
2.1 現シニアの「平均的な年金額」は?国民年金はたったの5万円…。
厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金と国民年金の平均月額は下記のとおりです。
【厚生年金の平均月額(国民年金を含む)】
- 〈全体〉平均年金月額:14万6429円
- 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
- 〈女性〉平均年金月額:10万7200円
【国民年金の平均月額】
- 〈全体〉平均年金月額:5万7584円
- 〈男性〉平均年金月額:5万9965円
- 〈女性〉平均年金月額:5万5777円
国民年金は保険料が一律のため、受給額にも大きなばらつきはなく、国民年金のみを受給している人の月額は、全体・男女別ともに5万円台にとどまっています。
一方、厚生年金(国民年金を含む)の平均受給額は全体で14万円台となっており、男女間ではおよそ6万円の開きがあるのが実情です。
では、仮に平均的な年金額を受け取れるとした場合、果たして老後の暮らしは安心して送れるのでしょうか。