かつて話題となった「老後2000万円問題」をきっかけに、年金だけで安心して老後を過ごすのは難しいと感じる方が増えてきました。
厚生労働省年金局が公表した「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、シニア層の年金平均月額は、厚生年金で14万6429円、国民年金で5万7584円であり、現役時代と比べると、収入面でのギャップは無視できません。
こうした背景を踏まえ、政府は2019年から所得の少ない年金受給者に対する支援策として、特定の条件を満たす方に対し「年金生活者支援給付金」の支給を行っています。
この制度は、1回限りの支給ではなく、要件に該当し続ける限り継続的に受け取れる仕組みとなっており、生活の支えとなる重要な制度となっています。
本記事では、この「年金生活者支援給付金」について、その内容や受給要件などについて詳しく紹介していきます。
1. 【年金受給者必見】国からの給付金「年金生活者支援給付金」とは?
年金生活者支援給付金は、経済的に困難な状況にある高齢者の生活を支えることを目的とした制度で、公的年金やそのほかの収入が一定基準を下回る方を対象に支給されます。
この給付金を受け取るためには、「老齢基礎年金(国民年金)」「障害年金」「遺族年金」のいずれかを受給していることが前提条件です。
さらに、支給を受けるには、年金を受給していることに加えて、いくつかの要件をすべて満たしている必要があります。
各給付金の種類ごとに設けられている条件について、それぞれ確認していきましょう。