転職サービス「doda」などを提供するパーソルキャリア株式会社が運営するJob総研では、2025年5月12日、社会人を対象とした給与に関するリアルな調査を公表しました。
結果によると、給与に不満を持った経験がある人は8割にものぼります。
物価上昇が続く中、なかなか給与があがらない中では生活に不安を感じる人もいるでしょう。こうした不安が不満につながることもあります。
本記事では、調査結果をもとに給与に関する不満の声を見ていきます。
さらに、国税庁の資料から年代別の平均的な年収についても見ていきましょう。
1. 給与に不満・不安を持った経験「ある派」が85.0%
同調査によると、全国20歳代~50歳代の働く男女1498人のうち、社会人の85.0%が「給与」に関する不満や不安を持った経験があると回答したことがわかりました。
- ある派:85.0%
- ない派:15.0%
自由回答を見ると、様々な声があがっています。
- 同期と同じ給料なのに、仕事量も責任の度合いも自分の方が遥かに多くモヤっとした
- ブラックな環境も当たり前だった氷河期世代。仕事量や環境にも耐えてきて今の賃金か…となる
- 氷河期世代だが、就職や正社員登用に悩まされてきた。今年の新卒の初任給を見ると納得しにくい
同じような不満を抱えた経験があるという方もいるのではないでしょうか。
なお、給与への直接的な評価がされにくいと感じた経験への回答としては、「ある派」が84.0%、「ない派」が16.0%でした。
「上司へのアピールや、自分から売り込みに行かないと評価されず、普段からの頑張りは評価されない」「同じ会社でも、営業が花形、事務はあまり評価されなかった」「新人の教育を、上司でもないのに善意でやっていた。評価にはならず善意だけで成り立っている」など、行った業務の対価が得られず、不満につながるケースが多いことがうかがえます。
2. 日本の平均年収は30年間「400万円台」のまま
国税庁が公表している「令和5年分民間給与実態統計調査」によると、日本全体の平均給与は459万5000円でした。
遡って平均年収を見てみると、30年前となる1993年の平均年収は452万円となっています。
過去30年で最も高い平均年収は1997年の467万3000円となっており、ここに到達していないことがわかります。
物価高に加えて、消費税や社会保険料の負担も増加していることから、30年前よりも生活にゆとりのない世帯が増えているかもしれません。
現在は非正規雇用者が増えたことも見過ごせないポイントです。
正社員と非正社員別にみると、平均年収は以下のような違いが見られます。
2.1 正社員と正社員以外の平均年収
- 正社員(全体):530万3000円
- 正社員以外(全体):201万9000円
男女別では以下のとおりです。
- 正社員(男性):593万6000円
- 正社員以外(男性):268万5000円
- 正社員(女性):412万8000円
- 正社員以外(女性):169万1000円
では、年代別にはどれほどの違いがあるのでしょうか。
3. 年代別の平均年収「19歳以下〜70歳以上」ごとにいくらか
年代別の平均年収は以下のとおりとなりました。
3.1 男性の年代別・平均年収
- 19歳以下:133万円
- 20〜24歳:279万円
- 25〜29歳:429万円
- 30〜34歳:492万円
- 35〜39歳:556万円
- 40〜44歳:612万円
- 45〜49歳:653万円
- 50〜54歳:689万円
- 55〜59歳:712万円
- 60〜64歳:573万円
- 65〜69歳:456万円
- 70歳以上:368万円
3.2 女性の年代別・平均年収
- 19歳以下:93万円
- 20〜24歳:253万円
- 25〜29歳:353万円
- 30〜34歳:345万円
- 35〜39歳:336万円
- 40〜44歳:343万円
- 45〜49歳:343万円
- 50〜54歳:343万円
- 55〜59歳:330万円
- 60〜64歳:278万円
- 65〜69歳:222万円
- 70歳以上:197万円
3.3 男女計の年代別・平均年収
- 19歳以下:112万円
- 20〜24歳:267万円
- 25〜29歳:394万円
- 30〜34歳:431万円
- 35〜39歳:466万円
- 40〜44歳:501万円
- 45〜49歳:521万円
- 50〜54歳:540万円
- 55〜59歳:545万円
- 60〜64歳:445万円
- 65〜69歳:354万円
- 70歳以上:293万円
※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があるため、数字を羅列しています。グラフで確認したい場合はLIMO内でご確認ください
男性は30歳代で日本全体の平均年収を超えており、55〜59歳でピークを迎えます。
一方で、女性の平均年収は年代と比例しません。出産や育児・介護により、扶養内などで働くことも影響しているでしょう。
4. 今年こそ年収を上げたい!何から検討したらいいのか
物価上昇の中で賃金が上がらないとなれば、生活は苦しくなる一方です。
なんとか現状を打破するために、「年収を少しでも上げたい」と思うこともあるでしょう。
今の会社に留まるか、あるいは転職するかによっても方法は変わりますが、以下の3点は検討しておきたいものです。
- 資格を取得する
- 自分だけの強みやスキルを知り、磨く
- 強みを生かして副業をする
これまで資格取得をあまり意識していなかったという方は、チャレンジしてみるのもひとつです。
培った知識は誰にも奪われず、自分自身の財産となります。転職でもアピールポイントとなりますし、会社によっては資格に応じた手当をもらえるケースもあります。
こうした勉強を通じで、自分の強みを知ることもとても大切なポイントです。
そもそも自分の強みを知らなければ、社内での昇進や転職でアピールすることはできません。自身の強みを分析し、どのような市場で発揮できるのか知りましょう。
また、現役世代のうちは副業で収入を得ることも可能です。
副業を認める会社も増えているので、自分の趣味や強みを活かせる方法がないか、一度リサーチしてみてもいいでしょう。
4.1 お金を「守る」視点も大切
入ってくるお金を増やしたいと思うのは当然のことです。
しかし、一方で出ていくお金に無頓着になっているという例はよくあります。
スーパーをはしごして「1円でも安く」という節約は非効率なことが多いですが、「現金よりキャッシュレス決済の方がポイントがつく」など、労力に差がないのに得られる効果が異なることは多いです。
それどころか、毎月何にどれほど使っているか把握していない、というケースも少なくないのです。
無理のない範囲で支出を把握し、少しでも減らす努力も行いたいですね。
5. まとめにかえて
日本の平均年収は、30年以上にわたって「400万円台」を推移しています。
物価上昇が進む今、年収アップを考える人は少なくないでしょう。
長い目でみたキャリアプランを立ててみるのと同時に、お金を守る視点も持っておきたいですね。
参考資料
太田 彩子