2024年4月、「高年齢雇用継続給付」の給付率が引き下げとなりました。

「高年齢雇用継続給付」とは、働くシニアを対象とした制度で、「60歳時点の賃金」と比較して一定の割合で賃金が減少した場合に支給される給付金です。

60歳以降も働くシニアの方々は、給付の対象となる可能性がありますので制度の内容や支給要件を確認しておきましょう。

なお、この給付金を受け取るには申請が必要です。

申請方法もご紹介していますので、あわせてご確認ください。

1. 「高年齢雇用継続給付」とは?

高年齢雇用継続給付は、60歳を超えても働き続ける人が、収入の大幅な減少に直面した際に支給される給付金です。

60歳を迎えた時点の賃金と比較して、以後の賃金が75%未満に下がった場合に、高年齢雇用継続給付の対象となります。

【支給要件】下記、全ての要件を満たす

  • 雇用保険の被保険者期間が5年以上あること
  • 60歳以上65歳未満で、引き続き一般被保険者であること
  • 60歳以降の賃金が、60歳時点と比べて75%未満に減少していること

以前は、賃金が60歳時の61%以下まで落ち込んだ場合、その月の賃金の15%を上限に給付が行われていました。

しかし、2025年4月から制度の見直しが行われ、支給率が引き下げられたことで、実際に受け取れる金額は従来よりも少なくなる見込みです。

2. 2025年4月~「高年齢雇用継続給付」の給付率は縮小…

2025年4月、「雇用保険法等の一部を改正する法律」が施行されたことにより、高年齢雇用継続給付の支給率に変更が加えられました。

この改正により、60歳を新たに迎えた方に対して適用される最大給付率は、従来の15%から10%へと引き下げられました。

さらに、今後はこの制度そのものが段階的に廃止される方針も示されています。

ただし、2024年度末までにすでに給付を受け始めている人に関しては、2025年4月以降も引き続き15%の支給率が維持されるため、今回の変更の対象とはなりません。

それでは、誰がこの支給率の引き下げによって影響を受けるのか、詳しく見ていきましょう。