8月15日(金)は、公的年金の支給日です。年に6回、2カ月に1度の振込となるため、待ち望んでいる方も多いのではないでしょうか。
一方で、物価の上昇は続いています。帝国データバンクが7月末に公表した調査によれば、8月には食品1010品目が値上げされる見込みです。10月には今年4月以来となる3,000品目超の値上げも予測されており、家計への影響はさらに広がる可能性があります。
6月支給分から年金額は引き上げられたものの、物価上昇のスピードには追いついていないのが現状です。
そんななか、生活の支えとして注目されているのが「年金生活者支援給付金」です。今回は、対象となる人が申請を逃さないよう、制度の概要や申請方法についてわかりやすくご紹介します。
1. 【年金月額】みんなはいくらもらっている?ボリュームゾーンは?
厚生労働省年金局が公表する「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、公的年金の平均月額は国民年金(老齢基礎年金)で5万7584円、厚生年金(国民年金部分も含む)で14万6429円です(※)。
※いずれも男女全体の平均年金月額
1.1 【男女別】国民年金・厚生年金《平均月額と個人差》
老後の生活を支える公的年金。しかし、老後の受給額は現役時代の働き方によって一人ひとり異なり、グラフのように大きな個人差が生まれるのが実情です。
月額30万円以上を受け取る人がいる一方で、月額2万円未満となる人もおり、受給額は幅広いゾーンに分布しています。
年金とその他の所得を含めても、一定基準以下の所得となる場合に「年金生活者支援給付金」が受け取れる可能性があることは、意外に知られていないかもしれません。
2. 【年金上乗せ】年金生活者支援給付金は全3種類あります
「年金生活者支援給付金」は、年金収入やその他の所得額が一定基準額以下の年金生活者を支援する目的で、2カ月に一度、いつもの年金に上乗せして支給されるお金です。
受給中の年金に合わせて、以下の3種類の給付金が用意されています。
- 老齢年金生活者支援給付金(補足的老齢年金生活者支援給付金)
- 障害年金生活者支援給付金
- 遺族年金生活者支援給付金