3. まとめ
厚生年金の平均受給額は月額14万円台とされますが、前述のとおり平均を下回る人は少なくありません。
実は、平均という数字は一部の高所得者によって引き上げられており、多くの人の実際の受給額とは乖離しているケースがあります。
厚生年金は手厚い印象をお持ちのかたもいるかもしれませんが、「会社員だった=厚生年金で高額受給」とは限らないのです。
たとえば、以下のようなケースでは、受給額が思ったほど伸びないことがあります。
- 非正規雇用が中心で賃金が低かった
- 厚生年金加入期間が短い(たとえば若い頃や晩年に無職や自営業だった)
- 転職を繰り返して勤務年数が断続的だった
- 出産や介護などで長期間就業から離れた
これらの状況に当てはまる場合、会社員経験があっても年金額が想定より低くなることは珍しくありません。
将来の見通しを立てる際には、自分の加入履歴に基づいた現実的な見積もりが重要です。
「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認してみると良いでしょう。
3.1 ご参考:国民年金の受給額グラフ
参考資料
マネー編集部年金班
執筆者
マネー編集部年金班は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、地方自治体の公務員や生命保険会社等の金融機関にて勤務経験が豊富な編集者が中心となり、厚生労働省や官公庁の公開情報等をもとに公的年金(厚生年金保険と国民年金)、年金制度の仕組み、社会保障制度などをテーマに、丁寧で読者にとってわかりやすい記事の情報発信を行っています。
マネー編集部年金班に所属する編集者は地方自治体職員出身の太田彩子、日本生命保険相互会社出身の村岸理美、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子、株式会社三菱UFJ銀行出身の中本智恵、野村證券株式会社出身の宮野茉莉子、SMBC日興証券株式会社出身の安達さやか等のファイナンシャルアドバイザー経験者等で構成されており、表彰歴多数の編集者も複数在籍しており、豊富な金融知識をもとにした記事に定評があります。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。生保関連業務経験者は過去に保険募集人資格を保有。(最新更新日:2025年6月8日)