3. まとめ

厚生年金の平均受給額は月額14万円台とされますが、前述のとおり平均を下回る人は少なくありません。

実は、平均という数字は一部の高所得者によって引き上げられており、多くの人の実際の受給額とは乖離しているケースがあります。

厚生年金は手厚い印象をお持ちのかたもいるかもしれませんが、「会社員だった=厚生年金で高額受給」とは限らないのです。

たとえば、以下のようなケースでは、受給額が思ったほど伸びないことがあります。

  • 非正規雇用が中心で賃金が低かった
  • 厚生年金加入期間が短い(たとえば若い頃や晩年に無職や自営業だった)
  • 転職を繰り返して勤務年数が断続的だった
  • 出産や介護などで長期間就業から離れた

これらの状況に当てはまる場合、会社員経験があっても年金額が想定より低くなることは珍しくありません。

将来の見通しを立てる際には、自分の加入履歴に基づいた現実的な見積もりが重要です。

「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認してみると良いでしょう。

3.1 ご参考:国民年金の受給額グラフ

国民年金の受給額ごとの受給権者数

国民年金の受給額ごとの受給権者数

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

参考資料

マネー編集部年金班