5. 老後資金を圧迫する“見落としがちな要素”にも備えておこう
老後に向けた資金形成を考えるうえで、単純な「貯蓄額」だけで安心するのは危険です。資産を取り巻くさまざまなリスクや支出要因をあらかじめ把握しておくことが、将来の安定につながります。
5.1 住宅ローンや借入金の残高に注意
一見すると金融資産を多く保有しているように見える世帯でも、住宅ローンや各種借入金など、負債を抱えている場合があります。
特に50歳代から60歳代では、ローン返済が老後資金の積立に大きな影響を与えていることが少なくありません。貯蓄と並行して、現在の借入残高を明確に把握し、できるだけ早期に完済を目指すことが安心できる老後の鍵となります。
5.2 退職金の有無も計画に影響
企業に勤めている場合は、退職時にまとまった金額の退職金を受け取れるケースがありますが、これは全ての人に当てはまるわけではありません。
自営業者やフリーランスなどには退職金制度がないため、自分自身で退職後の資金を用意する必要があります。
雇用形態や職業によって将来受け取れる金額に差が生じるため、自分の状況に応じた対策を早めに講じておきましょう。
5.3 ライフイベントによる想定外の出費も
人生には、結婚・出産・教育・介護など、突発的かつ大きな支出を伴うイベントが発生します。
たとえば、子どもの進学費用や親の介護費用は、場合によっては数百万円単位の出費になることもあります。
こうした支出が老後資金を圧迫しないよう、「いつ・どれだけのお金が必要になりそうか」をあらかじめ見積もり、別枠での備えを意識しておくことが重要です。
参考資料
マネー編集部年収班