2. 【二人以上世帯】《30歳代・40歳代・50歳代・60歳代・70歳代》平均貯蓄額と中央値

つづいて、二人以上の世帯について確認していきます。

※貯蓄額には、将来のために準備している預貯金のほか、債券や投資信託、株式、生命保険などの金融資産残高が含まれます。生活資金などに充てる普通預金残高は含まれません。

【二人以上世帯】30歳代〜70歳代の「平均貯蓄額(平均・中央値)」

【二人以上世帯】30歳代〜70歳代の「平均貯蓄額(平均・中央値)」

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」を参考に筆者作成

  • 30歳代:平均値601万円・中央値150万円
  • 40歳代:平均値889万円・中央値220万円
  • 50歳代:平均値1147万円・中央値300万円
  • 60歳代:平均値2026万円・中央値700万円
  • 70歳代:平均値1757万円・中央値700万円

単身世帯と比べて、二人以上の世帯では全体的に貯蓄額が多い傾向があります。しかし実際には、どの年代でも中央値は1000万円に届かず、60歳代や70歳代であってもおよそ700万円前後にとどまっています。

平均値と中央値にこれほどの差があるのは、各世帯ごとの貯蓄額に大きな格差があることを物語っています。

平均を見ると一見、順調に資産が増えているように感じられますが、実生活に近いのはあくまで中央値です。

今後の資産づくりを考える際には、「平均に達していない」と必要以上に不安になるのではなく、中央値を参考にしつつ、自分の状況に合った現実的な目標を立てることが重要です。

では、まったく貯蓄のない「貯蓄ゼロ」の世帯は、どのくらいの割合を占めているのでしょうか。