4. シニアは「住民税非課税世帯」となりやすい理由とは?

住民税非課税のボーダーラインは、収入の種類や扶養親族の数、年齢によって大きく異なることがわかりましたが、特に、65歳以上の年金受給者世帯では、非課税となる収入基準が高く設定されています。

シニア世帯では、現役時代と比べて収入が減少することや、遺族年金が非課税であること、さらに65歳以上になると公的年金の控除枠が増えることから、住民税非課税世帯に該当しやすい状況にあります。

厚生労働省の「令和5年国民生活基礎調査」によると、住民税が課税される世帯の割合は、30〜50歳代で約90%だったのに対し、60歳代は78.3%、70歳代は64.1%、80歳代は47.5%と、年齢が高くなるほど低くなっています。

ただし、住民税非課税世帯の判定基準は「前年の所得」に基づいているため、住民税非課税世帯でも預貯金が多いシニア世帯なども一定数存在します。

4.1 支援が必要な世帯は、シニアだけではない

厚生労働省の「生活保護の被保護者調査」によると、2024年12月時点で生活保護を受けている164万3111世帯のうち、高齢者世帯は54.9%を占めています。

しかし、逆に言えば、高齢者世帯以外の世帯も半数近くを占めていることになります。

住民税が非課税となり支援が必要な世帯は、シニアだけでなく、さまざまな世帯に広がっています。

また、今回のような一時的な給付金のほかにも、住民税非課税世帯を対象とした国や自治体のさまざまな優遇措置が存在します。

次に、それらの優遇措置について詳しく見ていきましょう。