2. 新卒・総合職で「570万円」になるケースも…国家公務員の年収モデルを紹介!

国家公務員は、毎年どれくらいの給与を受け取っているのでしょうか。人事院が公開する年収モデルを詳しく見ていきましょう。

2.1 本府省・地方勤務別の年収モデル

はじめに、本府省勤務の職員と、地方勤務の職員の年収モデルを見てみましょう。官僚と呼ばれる「総合職」、事務に従事し地方でも勤務する「一般職」の新卒職員に加えて、係長・課長級の職員の給与も確かめます。

なお、係長級の給与額には超過勤務手当(月20時間分)が含まれます。また、課長級の給与額には、管理職手当が含まれます。

本府省の年収モデル

本府省の年収モデル

出所:人事院「国家公務員の給与制度の概要」をもとに筆者作成

地方機関勤務の年収モデル

地方機関勤務の年収モデル

出所:人事院「国家公務員の給与制度の概要」をもとに筆者作成

〈本府省勤務の場合〉

総合職・大卒(例)

  • 月額:約37万円
  • 年間給与:約570万円

一般職・大卒(例)

  • 月額:約36万円
  • 年間給与:約550万円

係長級(例)

  • 月額:約47万円
  • 年間給与:約730万円

課長補佐級(例)

  • 月額:約59万円
  • 年間給与:約930万円

〈地方機関勤務の場合(横浜市、大阪市等の例)〉

一般職・大卒(例)

  • 月額:約32万円
  • 年間給与:約500万円

一般職・高卒(例)

  • 月額:約28万円
  • 年間給与:約430万円

係長級(例)

  • 月額:約44万円
  • 年間給与:約700万円

課長級(地方機関)(例)

  • 月額:約51万円
  • 年間給与:約830万円

本府省に勤務する総合職の新卒職員は、年収が約570万円です。一般職でも約550万円と、総合職・一般職で比較しても大きな差は見られません。順調に昇進して係長級になれば約730万円、課長補佐まで昇進すれば約930万円と年収1000万円に近い金額まで収入がアップします。

地方勤務の場合、本府省勤務に比べると全体的に給与が低めの傾向です。とくに大卒の新卒職員が年収約500万円なのに対し、高卒の新卒職員は約430万円と70万円の差があります。学歴が収入に与える影響は大きいようです。

また、課長補佐級の年収は約830万円と、本府省の課長補佐級職員と比較して100万円ほど差が開いています。横浜市や大阪市といった中核市に勤めていても、本府省職員との収入差はなかなか埋まらないことがわかります。

2.2 職歴ありの場合の年収モデル

次に、国家公務員になる前に職歴がある人の年収を見てみましょう。いずれも地方機関に勤務する一般職で、大卒後6年、大卒後10年の係長級、大卒後10年の課長補佐級の職員の年収を確かめます。

職歴がある場合の年収モデル

職歴がある場合の年収モデル

出所:人事院「国家公務員の給与制度の概要」をもとに筆者作成

大卒後6年(例)

  • 月額:約39万円
  • 年間給与:約600万円

大卒後10年・係長級(例)

  • 月額:約45万円
  • 年間給与:約700万円

大卒後10年・課長補佐級(例)

  • 月額:約54万円
  • 年間給与:約840万円

収入額は、新卒で就職するよりもやや高水準です。大卒後6年での就職は、新卒職員と比べて年間100万円ほど、係長級は月1万円ほど、課長補佐級は年間10万円ほどの増額となっています。国家公務員のなり手不足に対応するため、中途採用にはとくに力を入れているようです。

次章では、国家公務員のワークライフバランスについて解説します。