働き盛りのみなさんは、将来自分は年金をどの程度受け取れそうか、調べてみたことはありますか?
厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2023年度末の平均年金月額(いずれも男女全体)は、国民年金のみを受け取る受給権者で5万7584円、厚生年金(国民年金部分を含む)を受け取る受給権者で14万6429円です。
【グラフ】国民年金・厚生年金《令和5年度末》平均と個人差。この年金をどう増やす?2枚目以降で繰下げ受給のイメージをつかむ!

出所:厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成
ただし現役時代の年金加入状況を反映し、実際の受給額にはグラフのような個人差・男女差が生じます。そのため、将来の年金見込み額は、各自「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で確認しておく必要があります。
しかし現役時代から知っておきたいのは年金見込み額だけではありません。公的年金制度には、知っていると知らないとでは、60歳代以降のライフスタイルが大きく変わる可能性があるしくみもあります。
現在、老齢年金の受給開始年齢は「原則65歳」です。ただし繰下げ受給の制度を活用して「66歳~75歳」の間で後ろ倒しすると、繰下げ月数に応じて年金額が増えます。
繰下げ上限年齢の75歳まで受給を待った場合は、本来受け取れる年金額に「84%」の増額率が適用されるしくみです。
今回は、年金の繰下げ受給の基本と増額イメージをつかんだあと、注意点や「現役世代が気づきにくい意外な盲点」についても触れていきます。
記事末では、本来の年金で受け取った場合や繰上げ受給との比較を、シミュレーション結果をもとに見ていきます。