2. 【繰下げ受給】シミュレーション「本来の年金月額15万円」はいくらに増える?
ここからは、繰下げ受給した場合の「累計受給額」を。繰上げ受給の場合と、本来(65歳)受給の場合と比べてみましょう。「60歳・65歳・70歳・75歳・80歳・85歳・90歳」の各年齢で年金を受け取り始めた場合の、「累計の受給額」を比べてみたいと思います。
厚生労働省年金局の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金(国民年金部分を含む)の平均月額は14万6429円。
ここでは本来の年金額が「15万円」だった場合を想定して、受給開始年齢を5歳刻みでシミュレーションします。
まず、受給開始年齢が65歳、70歳、75歳で、年金月額は以下のように変わります。
2.1 繰下げ受給「年金月額はこう変わる」
- 65歳0カ月から:15万円(本来受給)
- 70歳0カ月から:21万3000円(増額率42.0%)
- 75歳0カ月から:27万6000円(増額率84.0%)
次に、各年齢での累計受給額を比べてみましょう。
2.2 繰下げ受給「60歳・65歳・70歳・75歳・80歳・85歳・90歳」各年齢での累計受給額&損益分岐点はいつ?
70歳・75歳の時点でもっとも累計受給額が多いのは「繰上げ受給」ですが、80歳時点では本来の「65歳から受給」が最も年金額が多くなり、85歳以降では「繰下げ受給」の方が多くなっていますね。
繰下げ受給の損益分岐点(※)は、70歳で繰り下げた場合は「81歳11カ月」、75歳まで繰り下げた場合は「86歳11カ月」です。
※累計受給額が、本来の65歳で受給した場合とほぼ等しくなるタイミング